たかが5日間程度の休暇を長期と呼ぶにはものすごく抵抗を感じるが、俺の会社の夏休みは原則として7月~9月の任意の5日間と決まっていて、それを長期休暇と称しているので大人しくそれに倣っている。先日の忌引きは9日間(もともとの休暇も含めれば12日間)も休んだが、あれは例外で、慶弔休暇と暦の休日との関係を就業規則で定めていなかったため、上司と総務と俺が相談して何となくそうなった。一般的には暦にかかわらず慶弔休暇の日数は固定の企業が多いと思うが、俺の会社は適当な社風なので、その都度ふわふわと判断しているようだ。
夏休みには入ったが、明後日以降の予定に気を取られて、今日どこへ行くかまったく考えていなかった。候補地はリストアップしてあるがどれもしっくりせず、かといっていつでも行けるような場所では、せっかくの休暇がもったいない。色々考えた結果、東京都大田区に所属する人工島をいくつかハシゴすることを思いついた。
家を出たのは日勤の時とほぼ同じ5:50。日の出から20分ほどしか経っていない上に薄曇りで、写真を撮るにはだいぶ暗いが、こんな時に限ってアビちゃんがいてくれるのだった。
カメラを向けたらしょっぱい顔で引っ込んでしまった。やっぱり大きいレンズはダメなのね。
大田区に所属する島で最も面積が大きいのは羽田空港で、住居表示は「東京都大田区羽田空港一丁目~三丁目」。住民基本台帳上の人口は0人ということになっている。立ち入り禁止区域が大部分を占めるので猫を探したことはないが、恐らく猫口も0匹あるいはそれに限りなく近い数だと思う。大田区には人口0人の島がほかにもあって、それは昭和島。同名のモノレール駅から大森東への往来があるので、住む人がいないのは意外に感じるが、猫はたくさんいる。もっと意外なのは、工場や倉庫しかない京浜島の人口が1人、城南島には7人いる点で、恐らく民家然とした民家に住んでいるのではなく、社員寮や事務所に住民票を置いている人がいるのだろう。もちろんこれらの島にも夥しい数の猫が暮らしている。
それぞれの島には路線バスも通っているが、どの路線も駅を起点としていて、島から島への移動には向かない。大森駅でカーシェアリングの車を借りて、最初の島に到着したのは7:50ごろ。日に当たって気持ち良さそうにしている子猫を見つけた。
ほかにも小さいのが5~6匹いたが、ちょっと近寄るとすぐに逃げてしまって、まるで歯が立たない。ほとぼりが冷めたころにまた覗いてみよう。
蛇口が緩くなって水が漏れ出ている。ここは人工島だから、飲み水は水道に頼るほかない。
空模様はとても微妙。この島には何度か訪れているが、今まででいちばん冴えない天気かも知れない。
今日の猫は全体的に若い。しばらく来ないうちに世代交代が進んだかな。
ここはかつて「お魚くわえたどら猫」に遭遇した岩場。無尾に近いボブテイルは、ここで暮らしていた先代から受け継いだ形質かも知れない。約3年ぶりに訪れて、知った顔には1匹も会わなかった。
またまた子猫拠点をチェック。今度はキジ白が枝にもたれて寝ている。
子猫の残りは3匹ぐらいだと思うが、カメラに収まったのはこの子が最後。今日は気温が高すぎて、時間のかかる島巡りには不向きな日だった。残りはまた明日。