今日は新居で11時に約束があり、その前後の空いた時間に散歩したので、割と広範囲の猫に会うことになった。ドピーカンの空模様からすれば、もう少したくさん会えてもいいような気がするが、老化して集中力が落ちてきたせいか、ここのところあまり調子が良くない。
小学校1年生の時に半田ごてを握って以来、俺は多趣味の道を突き進んできた。その中でも鉄道関係と音楽関係は割とよくやった方だと思うが、時間とお金ばかりかかった上に、何か一つ極めたわけでもなく、殊に音楽などは深遠すぎて、自分の影を追いかけているだけのような気になって、ある時期からは、真面目にやればやるほど徒労感が強くなった。純正律でハモった時の、他の奏者と精神の深い部分でシンクロする感じは、ほかのいかなることでも得られない快感だったが、それだけに、踏ん切りをつけるまで30年もかかった。猫散歩を始めたのは、そのわずか2ヶ月後のことだったが、もっと早くから始めていれば良かった。
まあそんなことはどうでもいいんだが、今日の1匹目は猫物流跡地から。11時の約束まで時間があったので、豊田駅から首都大学の方まで歩いてみたが、猫影は限りなく薄く、唯一会えたのが茶トラ白の父。婆さんは不在だった。
ここは駅から遠く、引っ越し後はあまり来られなくなる。父だけでも会えて良かった。
一旦家に戻り、荷物を持って新居へ向かう。タイミングのいいことに、アビちゃんが日なたぼっこに出ていた。
緑とエンジのリボンだった首輪が、いつの間にかお花のアクセサリーに変わっている。君はお洒落な子だね。
中河原から新居への道もぽつぽつと猫が散見される。あのキジ白は巡回帰りだな。
正面に回ってもう1枚。この直後、塀伝いに見えなくなるまで逃げてしまった。
行く手の猫民家はすでに何度か紹介した家。今日は2匹の猫が出ていた。
ここは新居から直線距離で50mしか離れていないんだが、入り組んだ路地のせいで、200m以上歩かないとたどり着けない。もしかしたら新居の庭は、すでにこの子たちの縄張りかも知れない。
用を済ませて、帰り道は散歩を兼ねて府中駅へ向かった。水飲み中の茶トラ発見。
遠い記憶の糸をたぐり寄せたところ、こいつに会うのは2年3ヶ月ぶりあることが判明。相変わらずきれいな毛並みで何より。
モノクロ爺さんの拠点にも寄ってみたが、どちらも見当たらず、こちらの黒白はご近所のどなたか。
そして最後は平山に戻り、猫ヶ丘下で最後の1匹と相成った。仕事は明日まで休みだが、猫を探す元気があるかどうか……。