首都圏の私鉄には駅間距離の極端に短い区間があるが、今日歩いた初台〜幡ヶ谷もその例に漏れず、両駅はたった1.0kmしか離れていない。これはなぜかというと、私鉄の多くが開業当初から電化されていたためだ。電車の特長である優れた加減速性能を生かせば、全体の所要時間にはそれほど影響なく駅を増やせて、乗客の利便性がよくなり、沿線の価値も上がって、みんな幸せになれるわけである。一方の国鉄線は蒸気機関車の牽引する客車列車が主だったので、駅間距離が短いと充分に加速できず、効率が上がらない。そのような列車は都市間輸送の急行運転に適していた。
今日の京王線猫行脚では、その初台〜幡ヶ谷を踏破するのに、何と10.9kmも歩いてしまった。1匹目に遭遇できたのはスタートから40分後で、前回の新宿〜初台とは対照的に、とても難渋した散歩だった。
今日はもうダメかと思ってた。ちょこなんとしている姿を見て、気が抜けちゃったよ。
スモークであることは確かだが、ブラックではなくチョコレートスモークかも。日差しが赤いからそう見えるのかな。
ちなみにここはハタチのころ住んでいた街。新宿から幡ヶ谷までは土地鑑があるので、もう少し見つけられると思ってた。
スタートから2時間半が経過して、膝と腰が痛くて辛くなってきた。一応、規定数の3匹は満たしたわけだし、諦めて撤収しようと思って歩いていると、ダメ押しで白いのを見つけてしまった。
鬱陶しいと言わんばかりに、しょっぱい顔で逃げてしまった。最後にその巻き尻尾を……。
家を出たのが6時で帰宅したのが11時。近所の猫民家で馴染の三毛を見かけた。
この時はまだ青空が見えて穏やかだった天気が、数時間後、激しい雷雨と降雹に見舞われることになるとは、三毛ちゃんも俺も予想だにしていないのだった。今日はこれでおしまい。