夜勤を終えて外に出ると梅雨冷えのひんやりした空気に霧雨が舞っていて、人通りのまばらな駅前通りはひっそりと静まりかえっていた。写真撮影には差し支えるかも知れないが、青々とした緑と紫陽花の色彩を楽しみながら歩くのは悪くない。猫は2〜3匹見つけられれば良しとして、日曜日のまったりした街なかをぶらぶらしようと思いモノレールに乗った。
歩いたコースは甲州街道駅から日野駅までの4.0km。かつて「日野の猫民家」と呼んだ猫拠点の一軒家に猫の姿はなく、15分歩いて見つけた1匹目は軒下でお昼寝中。だいたい思った通りのパターンで散歩は始まった。
浅い庇でもそれなりに雨を避けられるらしく、被毛はほとんど乾いていた。
歩いているうちに霧雨はほとんど止んで、傘が邪魔になってきた。とはいえ雨雲レーダーを見ると、薄青色のメッシュがまだら状に広がっていて、いつまた降り出しても不思議ではない感じ。いつまで続くか分からない雨上がりのひとときを、猫たちも大切に感じているのだろうか。
2〜3匹いれば御の字と思っていたが、たった4kmの散歩道でも猫は意外に見つかる。次のは黒いからちょっと分かりにくいかな。
舌を鳴らして呼んでみても、なかなか目線がもらえない。何を注視しているのかと思ったら……、
君のふるさとに走っていたのは、もっとのんびりした電車だったと思うけどな。あと欠席するなら事前に連絡ちょうだいね。
ほかの3匹も自宅の寝床で固まっていたが、撮影は無理っぽい位置だったので諦めた。
先月も見かけたポイントさんに今日も会えた。
尻尾がとても個性的で、何とかカメラに収めようと頑張ってみたが、これが精一杯だった。うまく撮れるものなら、猫の尻尾の形状写真集というのも面白いかも知れない。