2年半ほど前に八王子のチベットと呼ばれる野猿峠で猫を探した際、付近の絹ヶ丘団地に展開する坂道の勾配が半端なく、恐らく25%くらいあるのではないかとブログの記事に書いた(こちら)。しかしあとからよくよく考えてみると、いくら高度成長期の住宅需要が旺盛で土地が足りなかったとはいえ、人の暮らす住宅地でこの勾配はないのではないかと思うようになった。ものごとには限度というものがあり、25%ともなると、乾燥路面なら支障ないにしても、ひとたび雨や雪が降れば、車の発進や停止も覚束ないような傾斜だ。夜勤明けの散歩がきつく感じただけで、実際の勾配は15%ぐらいに過ぎないのではないだろうか、と。
今日の仕事帰りはその疑念を晴らすべく、京王バスの野猿峠バス停から平山城址公園駅までの約6.7kmを、猫を探しながら2時間かけて歩いた。ちなみに野猿峠の名は付近を通る野猿街道の由来であり、野猿街道の名は知る人ぞ知る「ホテル野猿」の由来であり、ホテル野猿の名はかつて存在した音楽ユニット「野猿」の由来だったりする。
まあそんなことはどうでもいいんだが、最初の猫は急勾配区間を過ぎてから発見。
鼻の頭にキジ色が乗っているのが印象的で、もしやと思って過去記事を見たら、2年半前の散歩でも会っていた。すごい偶然。
生け垣の外側からだとこれが限界。そこへ都合よく奧さんが現れたので、挨拶して中へ入れてもらった。
今日このコースを選んだのは、散歩のついでに髪を切りたかったからでもあるが、あいにく床屋は予約でいっぱい。そうこうしているうちに猫ヶ丘に到達し、定点の猫民家前では2匹の猫が寛いでいた。
鼻黒の茶トラは会ったことあったかな。引っ越して半年も経つと記憶が薄れてくるな。
猫ヶ丘街道をゆるゆると下っていると、木陰で休む猫の姿が見えてきた。
最後に見かけたのは猫ヶ丘下に住む馴染の三毛。朝はすごい勢いで懐いてくるが、日中は極端に反応が悪くなる子で、いくら呼んでも微動だにしなかった。
最後に肝腎の坂道の話。最も急と思われる箇所をiPhoneで計測したところ17°と出て、これは勾配に換算すると30.5%! つまり100m進むごとに30.5m上る、とんでもない急坂ということになる。日本の車道で最急勾配と言われる国道308号の37%には及ばないものの、自転車の漕ぎ出しが不可能なレベルで、歩いて移動している人は一人も見かけなかった。道行く自動車のドライバーはほとんど老人で、もしこれらの人が免許を返納することになれば、こうした集落は一瞬で瓦解するものと思われた。