広大な多摩ニュータウンには夥しい数の猫が生息しているものと思われるが、あまりにも起伏に富んだ地形なので、散歩コースに選ぶことはほとんどない。しかし11月に入った今は緑地や街路の木々が色づいて、街は年中で最も美しい季節を迎えており、天気のいい時にでもゆっくり歩きたいと思っていた。朝から晴れ渡った今日はまさに散策日和で、夜勤明けで体力に不安はあったが、桜ヶ丘から東寺方にかけての丘陵地帯を1時間半あまりかけて歩いてみた。具体的には多摩市役所バス停〜聖蹟桜ヶ丘駅までの6.2kmとなる。
多摩市役所から北へ向けて急坂を上ると桜ヶ丘の環状交差点があり、その先の分水嶺を過ぎると、聖蹟桜ヶ丘駅へ向けて、のたうつようなカーブの下り坂が始まる。環状交差点は一般的に桜ヶ丘ロータリーと呼ばれ、急カーブの連続する坂道には「いろは坂」という名がつけられている。どちらもジブリ映画「耳をすませば」の舞台になった聖地だが、それらを正直になぞったのではあっという間に散歩が終わる。紅葉を楽しみつつ、猫を探しながら住宅街をうろうろしていると、とある民家のカーポートに、怪しいキジ白が潜んでいることに気づいた。
桜ヶ丘で猫を探すのは初めてではないが、今まで一匹の猫も見つけることができずにいた。今日は上記以外にも黒猫を見かけて逃げられたほか、猫民家も発見して、次回に繋げられたので良かった。
次の猫を見つけたのはすっかり平らな一ノ宮にて。
せっかくいいお昼寝場所を見つけたのに、不審な人間にロックオンされてしまい、このままここで寝るべきか逡巡しているところ。
聖地散歩で見かけたのは以上の2匹。自転車を引き取りに駐輪場へ向かっていると、昨日も見かけたサバ白が同じ場所にいた。
丘陵地の散歩は夜勤明けのおっさんの体力を確実に蝕む。月島雫が自転車であの坂を登れたのは中学生だからであって、映画の設定上、現在40歳になったであろう彼女はきっと急傾斜地に住んだことを後悔しているはずだ。