草むす縄張り


八王子市の猫

 今朝の散歩は電車とバスを乗り継いで高尾の方まで行ったので、やや急ぎ足になってしまい、ゆっくり風景を眺めたり、草花をいじったりする時間がなかった。猫探しの散歩というと、目を皿のようにして彷徨い歩くイメージかも知れないが(そういう時もあるが)、時間の許す限り、なるべく周囲の景色をたくさん見て、瞼に焼き付けるようにしている。猫が好きなだけでなく、猫の暮らすフィールドもまた魅力的なことが多いからだ。俺の活動エリアである多摩北西部は鄙びた場所が多く、通勤時間帯の散歩でも慌しさに煽られることはあまりない。
 1匹目は朝食後と思しきまったりモード。いつもは高尾駅からここまで歩いてくるが、今日はバスに乗ったので間に合った。
八王子市の猫

 気持ちよさそうに目を閉じている。
八王子市の猫

 ……と思ったら超薄目でこちらを見ている。
八王子市の猫

 地面が砂利だとバレずに近寄るのはほぼ不可能。逃げ切らないでいてくれただけでも御の字だ。
八王子市の猫

 ここはとある団地アパート。撤去された自転車置き場に常駐の三毛が佇んでいた。
八王子市の猫

 建て替えのため住民は退去しており、古い棟はすべて空室になっている。今まで猫だけは残っていたが、ついに解体工事が始まったようなので、ここの猫も今日で見納めになるだろう。
八王子市の猫

 元はお花が咲き乱れていたはずの庭も、すっかり草むらに覆われてしまったな。
八王子市の猫

八王子市の猫

 その辺を一回りしてもう一度覗いたら、ねぐらに戻って日に当たっていた。高い草むらに隠れてしまっているが、この場所はこの子のお気に入りらしく、初めて会った4年半前から変わっていない。新しい寝床は用意されていても、ぎりぎりまで引っ越さずにいるのだろう。
八王子市の猫

 なお、すでに引っ越しを済ませて、新しい棟を縄張りにしている者もいる。
八王子市の猫

 残念ながらこの距離で逃亡。
八王子市の猫

 こちらも新しい棟の敷地。すっかり寛いでいるな。
八王子市の猫

「みんな親切にしてくれるんだよ」
八王子市の猫

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「……ていうかお前は怪しいヤツだな」
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 一旦草むらから飛び出た黒白は、俺が離れると安心したように再び伏せた。
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 高台の団地を離れてからも、ちらほらと猫の姿が見られたが、大方逃げられた。民家の敷地の黒白だけは何とか持ち堪えてくれた。
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 今日はこれでおしまい。
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