今日はもともと散歩をお休みするつもりだったところ、お昼近くになって雨が上がり、空も明るくなってきたので出かけることにした。もちろん雨雲レーダーのチェックも抜かりなく、立川付近は2~3時間なら傘なしでも行けるだろうと判断してのことだったが、そうした思惑は得てして外れることが多く、民家の軒下でしばらく足止めを食う羽目になった。こんな散歩でも暑さで生命の危機に晒されるよりはだいぶマシだが、こう雨に当たってばかりいたのでは、俺の体は持っても撮影機材が持たない。特にレンズは防塵でも防滴でもないので、いつもはらはらしながら使っている。
家を出たのは正午前。駅までの間に1匹見つけられたのはラッキーだったが、警戒心が強くてあまり近寄れなかった。
毛色はとても微妙。一見すると麦わらのようだが、明確なレッドが見当たらないのでキジトラに分類した。もしまた会えたらよく観察してみる。
立川からは北町行きのバスに乗って廃線跡の緑道に向かった。数匹の猫が暮らしていた緑道脇の駐車場に家が建ち、それ以来何度赴いても猫の姿を確認できず、ずっと気になっていた。近くの民家に猫ボックスが設置されていることには気づいていて、駐車場の猫たちは恐らくそこへ疎開したのだろうと想像していたものの、実物を見ないことには確証が持てないし、何より元気にしているなら早く会いたい。前回空振りだった5月下旬以来、2ヶ月ぶりに訪ねてみることにしたのだった。
風変わりな構造の民家の奥に猫影。思いが通じたかも。
緑道側に回ってみると、果たして懐かしい顔がこちらを見つめていた。あれは人懐っこいゴメン顔の茶トラ白。
鳴きながら胸に飛び込んでくるかと身構えていたら、そのまま通り過ぎて草を食べ始めた。昔と変わらぬマイペース!
フェンスを隔てたすぐ隣には相方の黒もいた。君たち、元気にしていたんだねえ。
ゴメン顔は去年5月以来。黒は一昨年の9月以来。とりわけゴメン顔は2011年10月からの古い知り合いなので、再会の喜びもひとしおだ。
にゃあにゃあ言いながらついて回るゴメン顔。フェンスの向こうはかつての駐車場で、今はみっしり民家が建ち並んでいる。
雨が降ってきたからそろそろ行くよ。また来るからそれまで元気でいてね。
緑道ではぽつぽつレベルだった雨は数分のうちに激しくなり、やがて途中で買った傘がほとんど役に立たないほどの土砂降りになった。タクシーアプリを開いてみたが周辺に流しの車はなく、諦めて西国立から電車に乗ることにして歩くこと30分。濡れていないのは頭だけという風体で定点の猫路地に差しかかると、カーポートの屋根の下に猫耳が見えていることに気づいた。
この子はここらでたまに見かけるサビ。「まさかこんな日に」というような驚愕の表情。
民家の軒下で広角レンズに交換して、元の場所に戻ったら消えていた。あれれー?
さらに激しくなった雨を避けて、縁の下に潜ったのだった。こんな天気でも今日はたくさんの猫を見かけたが、そのうち半数近くは雨脚が強すぎて撮影を断念した。梅雨明けしたなんて言ったの誰?