それなりに気温が上がって日差しが強くても、湿度さえ低ければ爽やかで清々しい夏の一日になる。今日は寒冷前線一過で晴れ渡り、八王子では32.0℃という最高気温を記録したが、昨日とは打って変わって湿度が下がり、やや強い風が体温を下げてくれていることが実感されて、降り注ぐ日差しを愛おしく感じるほどだった。それは1990年代の初めごろまで見られた「本来の夏」の再現のようで、当時住んでいたエアコンなしの木賃アパートや、電車の窓を目一杯開けて風を浴びていた生活を思い出させるものだった。あのころは冷房がなくてもひと夏をやり過ごせたし、ましてや生命の危機にまで及ぶことなど考えられなかった。
しかし今は時代が下って2020年代。昔ながらの夏は幻のようにたった一日で終わり、明日からは再び湿っぽくてはっきりしない天気に逆戻りするとのこと。こんな日の猫たちはどのように過ごしているのだろうと思い、北野~八王子に点在するいくつかの猫拠点を巡回してみることにした。
汗をかいて体温を下げる人間と違って、猫の姿態はそう変わらないかな?
活きの悪い顔つきの黒白。もう少し風通しのいいところで休めばいいのに。
次の猫はちょっと遠いけど、この位置から少しでも動くと写らないんだよなあ。
庇の上の目立たないところで寝ていた三毛。初めて見かけたのは2014年11月と古いが、出現頻度は極めて低く、今日は一昨年2月以来2年半ぶりの再会となった。できればもう少し低いところで会いたかったけどね。
近寄ってみると、とても穏やかな表情でこちらを見つめた。今日は猫にとってもいい夏の日のようだ。
ここは先月末の京王線猫行脚でも訪れた猫民家。あの時の三毛が今日もいた。
黒味の多い三毛は左目の調子が悪いようだ。前回見た時も少し白濁していたように思う。
久しぶりに覗いた柳の花街に猫の気配は感じられず、諦めかけての立ち去り間際、猫置屋の敷地の奥にキジ白がいることに気づいた。あれは見覚えのある顔。
近所の駐車場をねぐらにしていた子。かつてそこにはたくさんの猫が暮らしていたが、ご多分に漏れず一匹また一匹と減っていき、最後まで残ったのは三毛、黒白、そしてこいつの3匹だった。その後、2018年9月に三毛がいなくなり、次いで2020年2月に黒白がいなくなり、残ったこいつも駐車場の改修とともに寝床が破壊され、去年12月を最後に見なくなっていた。どこかで再び面倒を見てもらえていればと思っていたので、ここで再会できたことは本当に嬉しい。
……しかしこいつ、極端に警戒心が強く、近寄る素振りを見せただけでシャーと叫んで逃げる。以前より毛並みが良くなったことは確認できたが、この直後、奥の方へ引っ込んでしまって二度と出てこなかった。
今日の猫は以上。見つけた数こそ多くなかったが、無事を知ることのできた猫が2匹もいたので良かった。