東海道新幹線の車内販売が今日を最後に終了だそうで、ついに東海道もやめるのかと思うと感慨深いものがある。旅の風景として長年定着していたので淋しく感じる一方、昨今のニーズとはかけ離れたサービスであったろうことは想像できる。東海道新幹線は25mの車両が16両連っているので、車内販売のワゴンが行って戻るには800mも歩かなければならない。一度通りすぎたら次いつ戻ってくるか分からず、来たとしても希望の商品が残っているかも分からない。お腹が空いている時など、そんな不確実なサービスには頼れないからあらかじめ駅の売店で買っておくことになる。売る方だって通信手段のない昔は車内を往復するほかなかったが、今ならスマホなどで注文を受けて、座席に届けるなり、車内のどこかに拠点を設けて取りに来てもらう方が効率がいいに決まっている。
若いころ俺は東海道・山陽新幹線で車内販売の仕事をしていたことがあり、当時から手間の割に実入りの少ない商売だなあと思っていた。高速走行する新幹線の車内を何度も行き来するのはしんどい。まして当時は自由席や二階建て車両があったし、連休にもなれば混雑する車内を掻き分けて進まなければならず、乗務後は疲労困憊で動けなくなるほどだった。東海道・山陽新幹線の食堂車と車内販売には帝国ホテル列車食堂、日本食堂、都ホテル列車食堂、ビュフェとうきょうの4社が参入しており、国鉄民営化後はJR傘下の企業に移管されたとはいえ、この業態がいつまでも続くとはとても思えなかった。俺が勤めていた1987年ごろからよくもまあ今日まで持ったものだと思う。
今日の猫散歩は少し無理して新秋津~東所沢の5.8kmを1時間40分かけて歩いてみた。現在このコースはもっぱら朝に訪れているが、以前から懐いてくれていた肉食系三毛ちゃんがある時期を境に現れなくなり、一時はすっかり諦めていたところ、どうやら夕方を中心に出歩いているらしいことが分かった。とはいえこちらも勤め人なので時間の調整が難しく、夕方には至らないものの夜勤前の日中なら多少希望があるのではないかと考えた。
まずは本題に入る前に昨日見かけた近所の黒白を紹介しておく。昨日は風邪気味で体調が悪く、ぼーっとしているうちに載せる猫がいることを忘れていたので。
ここのところ老け込んでしまい、敷地の奥のねぐらで寝ていることが増えた。カメラに収まる機会もなかなかないので、載せ忘れたからといってボツにはせず、ここに紹介する次第。
そしてここからが今日の散歩。昨日に比べてだいぶ曇っているが寒くはなく、馴染の茶トラが家の前に佇んでいた。
顔つきから分かるように、馴染といっても懐いているわけではないのだけれど。
ひとしきり訝しんだあと、家人に助けを求めるように大きな声で鳴き始めた。さては手ぶらの来客を敵認定しているな。
いつもの猫住宅街に差しかかると、どこからか茶トラが駆け寄ってきて謎のアピールを始めた。
気配を察して人懐っこいクリーム白が現れたのだった。2匹は折り合いが悪いらしく、格下と思しき茶トラは見えなくなるまで逃げてしまった。
肉食三毛ちゃんは現れず、相方の茶トラ(逃げたのとは別猫)も今日は出てこなかった。お土産を期待して現れたこいつも空振りになってしまってバツが悪いな。
塀の上でお土産を待つ三毛。忘れてきた時にそうされるととてもツライ……。