夜勤明けの翌日、つまり明後日はマコちゃんとサチコの通院を掛け持ちする日なので、かかりつけ医に伝えるべきサチコの状況を備忘録として書いておく。今やっていることは甲状腺機能亢進症の治療で、チロブロック錠(1.25mg)という薬を6月17日から1日2回服用させている。この効果が現れてくるのが服用開始後2週間ぐらいからとのことなので、明後日の診察内容は、(1)甲状腺ホルモンT4の数値がどれだけ下がったか、(2)T4が下がった反動で腎不全が顕在化していないか、という二点を血液検査で確認することになると思う。服用後の体調や行動で気づいた点としては、(1)鳴き声が柔らかくなった、(2)食事の量が4分の3程度に減った、(3)排尿回数が5分の4程度に減った、(4)便の色が黒っぽくなった、(5)寝ている時間が長くなった、といったところ。今日の体重は2.94kgで服用開始日とまったく同じだった。
俺たち夫婦の願いは甲状腺機能亢進症が軽快しても腎不全がステージ2を維持し、ソレンシアという新しい疼痛管理薬がサチコに適用できるようになること。21歳と1ヶ月を過ぎていよいよ四肢の動きがぎこちなくなり、香箱を組むこともせずに不自然な姿勢で寝ていることが多く、関節痛を我慢している様子が伝わってくるからだ。高齢なので数値のバランスを取ることは難しいかも知れないが、痛いことや苦しいことから遠ざけるという約束は果たしたい。
マコちゃんの方は抗癌剤のお休み週ということで、今週はとても調子が良かった。明後日の血液検査で白血球が増えていれば、延期になっていた多剤併用療法の4巡目を行い、翌週もう一度検査して問題がなければしばらく休薬期間になると思う。診察を受ける際は、その週の体温推移や元気度、排泄、嘔吐、痛みや痒みといったレポートを書いて出すほか、問診でも細かく質問してくれるので信頼を置いている。抗癌剤投与から3~4日目はほぼ決まって食欲不振が起きるが、それ以外には目立った副作用はない。
2匹の猫が病気加療中だとどうしても前置きが長くなる。今日の猫サイクリングは京王片倉~長沼の9.4kmで、最高気温32.4℃という暑い日の割にはたくさんの猫に会えた。梅雨とは思えない青空だったが東京の真夏はこんなものではないし、猫たちにもまだ生気があって張り合いがあった。
1匹目は路地奥の三毛。
視線が虚空を向いている。そこまでの暑さじゃないと思うんだけどな。
道路向かいの隙間からがさがさと音がして、見ると茶トラ白が逃げていくところだった。
見つかったと悟るや否や再び腰を上げた茶トラ白。えー、だいぶ懐いてくれていたはずなのにーと思ってあとで調べたら、懐いていたのはよく似た毛色の別人だった。
一杯飲み屋が並ぶ歓楽街の片隅。1軒分の小さな空き地で惰眠を貪る猫発見。
日差しを避けて隙間で過ごしているのもいた。あのチョビ髭も黒たちと同じ家の子。
黒と仲の良かったポイントさん、いつの間にかいなくなっちゃったな。俺あの子のこと好きだったから淋しい。
サイクリングの最後は市街地を離れて郊外へ。浅川を渡って住宅街をしばらく行くと、民家の敷地でお昼寝中のカラーポイントを発見。
この季節になって新規開拓が成立するとは思わなかった。初めての道で初めての子。
猫相手に足音を忍ばせても無駄。しゃがんでカメラのモニタを覗いた時にはとっくに逃げかかっていた。いつも見かける巨大三毛ではなかったけど、この子も割と巨大だね。
最後に見かけたのはお散歩中の黒白。ロックオンされているのを察して急ぎ足になっている。
塀の向こうは河岸断崖で一段低くなっている。必死で舌を鳴らす俺を尻目に黒白は去って行った。