それぞれの十余年


立川市の猫

 日勤と夜勤を間に挟んで三連休が2回と、8月に入ってからだいぶ楽な勤務シフトで助かっているが、夜勤の時以外は朝4時台に起きることが続いて毎日とても眠い。休日に朝の散歩を終えて9時や10時に帰ってきても、そのまま起き続けていることは到底無理で、今日も我慢できずにお昼すぎから17時ごろまで冷房を効かせた寝室でグースカ寝ていた。まあしかし好天が続いてお別れ巡行が順調に進んでいることは助かっている。
 今日の猫探しコースを決めるにあたって、今月4日の「笑っちゃうぐらいツイてない散歩」で会えなかった猫をどうするかかなり悩んだが、不確実性の高いことを引きずってもキリがないので諦めることにした。とりわけ人懐っこい鉢割れサバ白と大白斑の美人三毛には会いたい気持ちが強く、外出のついでにちょいと中野島まで足を延ばそうと思えばできたと思うがそうしなかった。サバ白は5月上旬、三毛は6月中旬に会っており、たとえ今日また会えたとしても、今後記憶の彼方に埋もれていくであろう事象に2ヶ月や3ヶ月の差は些細なことだと思う。
 そういうわけで今日の猫散歩は西国立を6時ちょうどにスタートし、立川市内の東南エリアを巡って3時間15分後に西国立に戻るという大回りのルートを辿った。散歩中、最初と最後の二度立ち寄ったのはチョビ1号邸と七三ファミリー(母)の縄張りで、どちらも最後にもう一度顔を見たくて粘ってみたが叶わなかった。チョビ1号は去年10月に会っているが、見かけるのは1〜2年に一度の割合で現在の安否は不明。七三ファミリー母は2021年10月を最後に見なくなって諦めていたところ、さる筋から今も存命と聞き、こちらも粘ってみたがついに現れなかった。
 しかしちまちま歩いていればいいこともあるのが猫散歩で、久しぶりに電器屋の看板猫に会えたのは幸運だった。正確に言うと電器屋は店を畳んで看板も撤去されたので、「元電器屋の看板猫」と呼ぶべきかな。
立川市の猫

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 このように跨座式モノレールと化すのは猫あるある。欄干でお腹を冷やしているのかしら。
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 初めてこの子に会ったのは今を遡ること12年半。2012年1月の寒い朝、やはり欄干に跨がっていたので暑さ寒さは関係ないようだ。以前は外に出ていて地面で見かけることもあったが(一例)、今はベランダ越しにしか会えないロミオとジュリエットのような関係。いつかまた会えるかな。
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 今朝は曇っていて涼しく、散歩は捗るし猫もほっとした様子。朝のご飯待ちも平常運転。
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 学校裏のキジ白息子も見かけたが、すっかり警戒されてしまって近寄ることはムズカシイ。
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 しょっぱい顔でこちらを見つめている。この直後、もちろん逃亡。
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 古くからの散歩コースなので見かける猫もみんな古株。高みからこちらを眺めているのが分かるかな?
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 チョビ髭の黒白もいい年だからか毛並みが荒れているが、眼光は昔と変わらず鋭い。今日会った中ではこいつが最も古い知り合いで、最初に見かけたのは2011年10月だから、少なくとも14歳ぐらいにはなっているはず。懐く兆しはまったく見せず、触れ合うこともなかったけど、出現率は高くて何度もモデルになってもらったっけなあ。
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 上矢印邸も覗いてみたが見当たらず、諦めて先へ進もうとしたら隣の建物に潜んでいた。
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 夏毛でスリムになった上矢印ちゃん。相方の黒白は巡回にでも出ているのか、見えるところにはいなかった。
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 立川勤務時代、お昼休みの散歩で時々訪れていた路地だらけの住宅街。当時の職場から1.7kmも離れたこの街は、正味50分ほどの散歩タイムで来られる北限の場所で、かなり早足で歩いても時間的にぎりぎりだったので、猫を見つけるたびに嬉しい悲鳴を上げたものだった。
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「今はすっかり過疎化して淋しいもんだよ」
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 旧法準拠の6尺道路が縦横に走っていた住宅街だが、次第にセットバックが進んで日当たりが良くなり、庭に樹木を植える家も減ったので、猫が身を隠せる場所はなくなりつつある。
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 スタートから1時間半で折り返し地点に到達。ここしばらく猫に会えずにいた猫路地を半ば儀礼的に覗いてみると、待っていたかのように2匹の猫が座っていてのけぞってしまった。君たち、元気だったのかー。
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 向こうも驚いているみたい。去年10月以来、何度来ても誰にも会えなかったから、今日ダメだったら諦めようと思っていたんだよ。
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 こちらのぱっつん頭は2022年7月以来の2年ぶり。こうしてみるとやっぱり散歩は朝じゃないとダメだと実感する。ここ何年かの夜勤生活が恨めしいけど、冬の早朝は逆に辛いし、日勤ばかりでは体が持たなかったりもするから悩ましい。1年半近く会えていない人懐っこいサバ白も、朝ならそのうち会えるのかも知れない。
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 初めてこの路地を覗いた時に見かけたのがこの組み合わせだった。あれは今から6年前のことだった。
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 西国立へ戻る道すがら、チョビ1号と七三の母で再び空振りしたのは冒頭に書いた通り。ここがダメなら帰るつもりで立ち寄ったキジトラの公園にも猫影はなく、失意のまま駅へ向かおうとしていると、最後の最後で偶然の神様が微笑んでくれた。
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「そこのネコズキちょっと待て」
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 常駐のキジトラ、やっと会えた!
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 今日の猫はどれも古い馴染だが、この子も2012年11月からだから余裕で10年選手。散歩をやめる前に一目会っておかないと後ろ髪引かれるだろうなーと思っていたので喜びもひとしおだ。この気持ちをフェザータッチ撫で撫ででお返しする様子はこちらの動画でどうぞ。
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