6月7日に始まったマコちゃんの抗癌剤治療がようやく終わった。
今回の治療法はCHOPプロトコルと呼ばれるもので、シクロホスファミド、ビンクリスチン、ドキソルビシンという3種類の抗癌剤のほかにステロイド剤を投与する。抗癌剤の中にはかなり毒性の強いものが含まれており、副作用が重めに出て動けなくなることも何度かあった。当初の予定だった1週間おきの治療では副作用から回復し切れないことが多く、8月のお盆休みを機に2週間おきの治療に変更したが、後半になってくるとそれでも回復しないことがあり、治療開始時に4.70kgあった体重は終了時に3.33kgまで減っていた。何とか最後まで頑張ってくれて嬉しい反面、これ以上治療が続いていたら持たなかったと思う。
根治の望みもないではないが、これだけ頑張っても1年以上生存するのがたった2割。マコちゃんは15歳という老齢だが、腎臓や肝臓などがとても元気なので、再発する前に老衰で逃げ切ることは難しいかも知れない。もし放っておいたら鼻腔内のリンパ腫が腫大して呼吸困難になったり、全身に転移するなどして数週間ほどしか生きられなかったはずだが、治療によってこれを先送りしたことがマコちゃんにとって良かったのか俺には分からない。俺たち人間が覚悟を決めるまでの時間稼ぎと言われても否定できない。
しかし、この年越しを二匹の猫と二人の人間で迎えられることは率直に嬉しいのである。長期休暇に入ってからはサチコもマコちゃんも俺の膝に乗っかって離れないので、猫たちもきっとそうなのだろう。生き物である以上、俺たちの持ち時間は限られており、たとえ一刹那であっても重なっている間はできるだけ楽しく過ごせる環境を作りたい。来年の今ごろは誰かが欠けているかも知れないが、今はそうさせてやりたい。
今のところサチコもマコちゃんも体調バッチリなので、年の瀬の挨拶回りにも安心して出かけられるのはありがたい。今日は先日の中神よりもさらに北へ足を延ばし、福生から拝島まであっちふらふらこっちふらふらしながら16kmほど自転車を漕いだ。定期更新をやめてからというもの、福生方面へ行くことはほとんどないだろうと思っていたが、猫が減った今となっては拝島を絡められるコースはそちら方面しかなく、せっかく行ったなら踊り子さんや福サビ1号にも会いたかったが、冬の低い日差しで猫たちの路地に日も差さず、どちらも出てくる気配がなかった。
……というわけで1匹目に遭遇したのはスタートから50分後の9:20。氷点下4.0℃という最低気温はここらじゃ極端に低いわけじゃないけど、今シーズン最低だそうだから出足が遅いのかしら。
強烈な日差しに逆らって目を見開いている。突然現れた不審者を見極めようとしているな。
所属不明の三毛だけど見覚えはある。帰宅してから確認したら、7月中旬にも100mほど離れた民家で見かけていた。
夏毛と冬毛であまり印象の変わらない子。アンダーコートが薄いのかも。
ここらでたまに見かける泥棒鉢割れ風のキジ白。ここは旧々々居にほど近いのでお馴染さんも多い。
近寄ったら白けたような顔をして動きを止めた。俺には冷淡な鉢割れの灰白。
ちょうど朝ご飯の時間だったようだ。迷惑そうな表情から、食べ終わり次第逃走することがありありと分かる。
しかし、逃がさん! 4月からずっと会えなかったんだからもう1枚ぐらい撮らせて!
日陰に佇む様は似通っていても、反応はまるっきり異なるのがキジ白3号。年の瀬の挨拶に来ましたよ。
珍しく2ヶ月半も開いちゃったので、思い出すのに時間がかかっているみたい。
撫でくりまわして再会を祝しているところ。前回会った時から首輪をつけるようになったけど、それ以外の待遇は特に変わらないみたいね。
まあでもこの性格だから優しくしてもらっているのだろう。出会ってから16回目の年越しも無事に過ごせそうで良かった。
最後の猫は団地の駐車場に佇む三毛。半年ぶりだからどうかなと思ったけど、待っていたかのようにこちらを見つめていた。
懐いているわけではないので前足が逃げる気満々。いい子だねー、話せば分かるよー。
6月に見かけた相方と思しきキジ白は不在。車の下に隠れていたのかも知れないが、日差しが強烈すぎて覗いても見えないので確認しなかった。長い距離を走って体が冷え切ってしまったが、挨拶したい猫にはだいたいできたので目的は果たした。