長年の交代勤務から解放され、自宅で年を越すのはとても久しぶりのはずだったが、昨夜はあまり体調が良くなくて、座椅子でうたた寝しているうちに気づいたら0:05で日付が変わっていた。まあでも二匹と二人というメンバーで無事に2025年を迎えられたのは良かった。
体調を崩したのは強風のため飛行機が激しく揺れて乗り物酔いしたからで、なぜ飛行機に乗ったのかというと一昨日から昨日にかけて大島〜御蔵島〜三宅島のルートでプチ旅行に出かけていたから。交通機関や宿の手配は3週間ほど前に済ませていたが、ブログやSNSなどでそのことに触れなかったのは、冬の伊豆諸島は気候が厳しく、直前になって中止する可能性が排除できなかったことと、他言するのが少し気恥ずかしかったからという理由。一昨年の秋から何度となく御蔵島にチャレンジしては弾き返されることを繰り返していて、気象状況などによる事前キャンセルを含めれば今回が7回目になる。ちゃんと計算したら自己嫌悪に陥るくらいの費用がかかっているのに、乗りかかった船というか、半ば意地になっていて諦めるという選択肢が思い浮かばなかった。
去年6月に東海汽船でチャレンジした時は、海況不良のため上下便とも御蔵島は欠航で、22時間以上かけて竹芝と八丈島を往復しだだけに終わった。その翌月にもう一度同じことをしたが、やはり海況不良のため上下便とも御蔵島は欠航になり、仕方がないので三宅島で1泊して翌朝の下り便に賭けてみたがやはり欠航で行けなかった。この時の教訓からもう二度と船には頼らないと固く決意したのだが、空路となるとコミューター路線のため定員が少なく、現地の宿の少なさも相俟って、両者の予約を同時に成立させることは至難の業。そのためしばらく我慢を強いられることになったが、完全オフシーズンの年末まで待った結果、宿や交通機関の予約はたやすく済んだし、考え得る障害といえば割高な交通費とたまに訪れる天気の崩れぐらいに低減された。
油断していると前置きが長くなるのでまずは初日の30日、調布駅から調布飛行場へ向かう道すがら見かけた猫たちの紹介を(東京都島嶼部シリーズの前記事はこちら)。伊豆諸島初の猫旅だった2022年7月は8:45発の神津島行き(新中央航空301便)を利用したが、今回は御蔵島へ渡るヘリコプターの接続を考慮して10:30発の大島行きに乗る(同101便)。前回と違って今は真冬なので日の出が遅いし、加齢で血圧が上がっているので凍れる早朝から頑張ったのでは死にかねない。10:30というのはとても都合の良い出発時刻だった。
駆け寄ってくる猫が2022年と同じ子なのも嬉しい限り。
かつて例の2匹に会いたくて頻繁に足を運んだ路地。今は住む猫も少なくなったけど、農家の茶トラ白が俺のことを覚えていてくれる。会うのは去年7月下旬以来の半年ぶり。
指挨拶はできるけど、大きな動作をすると怖がっちゃう子。立ち上がるのもゆっくりじゃないと引っ込んじゃう。
調布飛行場にはシェアサイクルのステーションがあるので、徒歩だった前回よりも格段に短時間でたどり着けるが、冬の朝なので寒くてスピードが出せない。天気は良かったが放射冷却が強くて氷点下2.2℃まで下がった。
近寄ってみたら何となく見覚えのある顔立ち。そうだ、君はお焦げさんの相方だ! 3年近く見てなかったけど元気にしてたかー。
例の2匹を見かけなくなってからあまり足が向かなくなった調布市内だが、冬の朝の日差しは初めての道でも猫を見つけやすくしてくれる。
調布市内で外階段のキジトラを見かけてから3時間10分後。大島のとある漁港に佇む猫を見つけて近寄ると、そこには2匹ではなく3匹の猫が集まっていた。1年ぶりに来たけどやっぱり島は猫が多いなー。
去年12月に来た時はちょうど寒冷前線の通過にぶち当たってしまい、御蔵島へ渡るヘリコプターや宿の予約はできていたものの、暴風雨では行く意味がないので泣く泣く引き返したのだった。そしてこの日の夜も寒冷前線の通過がほぼ確実になっており、俺が御蔵島へ行こうとするたび前線に当たるのは本当にツキがないとしか言いようがない。
君たちも今は安穏としているけど、今夜は荒れるみたいだから気をつけた方がいいよ。
集落の人たちや観光客に可愛がられているからか、こちらの路地の猫はおしなべて愛想がいい。御蔵島へ向かうヘリコプターが出発する14:05まであと2時間半、大島散歩はこの調子でもう少し続く。
最後に今日は元旦ということで去年の振り返りをしておくと、5月のマコちゃんの鼻腔内リンパ腫発症に始まり、下半期には妻の入院や俺の新型コロナ罹患など様々な出来事が集中して起きた。SNSやブログではあまり触れなかったがサチコの体調も不安定で、今は従前からの甲状腺機能亢進症治療薬(チロブロック)や疼痛管理薬(ソレンシア)、食欲増進剤(ミルタザピン)に加えて、抗生物質(ジスロマック)と降圧剤(アムロジピン)も服用させている。抗生物質が一時的なものであるほかは恐らく生涯投与になると思うが、これらの組み合わせがいいのか、今のサチコは21歳なりの活発さを取り戻し、去年8月を最後に2階にも上らなくなっていたのに、なぜか先月30日ごろから再び2階のトイレを使い始めたりもしている。マコちゃんは先月26日に最後の抗癌剤治療を終え、今回は副作用もなさそうなので、正月休みのうちに美味しいものでお祝いするつもりだ。
この生活が永遠に続かないことは分かっているが、猫も人も元気なうちは精一杯楽しく過ごしていく。