14時台が中心となる夜勤前の散歩は、一日で最も気温の上がる時間帯なので、猫がいるいない以前に、自分の体調管理がかなり大変だったりする。今日はついに25℃を超えて夏日となり、加えて昨夜はじゃがバターと食パンを食べたきりだったので、散歩を始める前からお腹が空いて気絶しそうだった。
こんな日の昼下がりは猫なんかいないかなと思ったが、立川の通い慣れたコースだったせいか、普通にたくさん見つけられた。ただ、夏日ともなるとさすがにみんな日陰に隠れている。どの辺りに潜んでいるか熟知している場所だからいいようなものの、これが慣れない土地だったら、1匹も見つけられないまま終わるのかも知れない。……そう分かってはいても、明日は南武線の猫行脚(2回目)に行くつもりなんだけれども、気温はさらに上がって26℃になるそうだ。
スタート地点は西国立。駅近くの猫路地に寄ってみると、日陰で黒白が涼んでいた。
怒りんぼさんは今日も不在だった。夏になる前に会っておきたいんだけどなあ。
猫路地を通り過ぎて南武線の踏切を渡り、以前の職場の近くまで来ると、塀の上に黒白が座っているのを見つけた。
久しぶりに見かけた三毛子の子供。お母さんはさっぱり見なくなった。
七三の縄張りでは母が巡回中だった。このあと藪の奥に隠れてしまって追跡不能。
向かいのアパートのサイクルポートには未亡人の婆さんも潜んでいた。去年の5月を最後に、七三ファミリーはあらかたいなくなってしまって、残った3匹を揃って見るのはずいぶん久しぶりだ。また会いに来るから、みんな元気でいてくれよ。
呼んだら「にゃあ」と返事した。今日は機嫌がいいらしいが、暑いので日なたには出てこない。
三毛婆さんの背後から近寄ろうと思って回り込んでみると、見張り役のサバ白が1匹。
「『にゃあ』って言った? だめだめ、そんなすぐ分かる嘘ついても僕は騙されないからね」
ゆっくり1号登場。日陰でお昼寝中のところ、呼んだらゆっくり出てきてくれた。ごろーんの前の準備体操。
いつにも増してゆっくりな、ゆっくり1号。調子良さそうで何より。対して俺は空腹のため立ち眩みしてぶっ倒れそう……。
ごろんごろんするゆっくり1号をひとしきり撫で回したあと、通りに出る前に振り返ったら、もういなくなっていた。ハケるのは早いんだなーと感心しつつ、前に向き直ると、もう1匹猫がいた。
君は初めて会うかなー。ここは色んな猫が通りかかるから覚えてないや。
ここまで空腹を抱えながら散歩を続けてきたが、突如飢餓の恐怖に襲われたため、通りかかった公園で、あらかじめ買っておいたお握りを食べた。15分ほど休憩したあと、いつもと少し違ったコースを多摩川方向に歩いていると、民家の敷地で固まっているのを発見。
みんな前後不覚に寝入っていたけど、1匹だけしっかり起きててこちらを眺めていた。
最後の猫は、3月末にも見かけたキジ白。大白斑だから確定的なことは言えないけど、模様はたぶん霜降り。なぜそう思うのかというと、子供が霜降りだから。霜降りはU遺伝子座がU-の時に発現する優性遺伝なので、少なくとも両親のどちらかは霜降りということになる。あと、わずかに見える眉間のM字ラインが濃いのも、霜降り猫の特徴だ。