「まもなく久地です」という車内アナウンスで目が覚めて、久地駅に降り立ったのは9時ではなく7時半。今日の猫散歩は南武線猫行脚の12回目ということで、久地~宿河原の1駅間を2時間かけて歩いてみた。ちなみに岩手県にも同じ読みの久慈という駅があるが、こちらは久慈氏という人名が由来。一方、川崎市の久地は、かつて多摩川が頻繁に氾濫して、土地が刔られた(くじられた・えぐられた)からという説があるそうだ。
この季節の朝は、日が高くなって気温が上がるにつれて、指数関数的に猫の出現数が減っていき、晴れている時は9時ごろには店じまいとなる。出現数はゼロにはならないが、限りなくゼロに近くなって、見つける前に俺が死んでしまうからだ。できれば6時半ぐらいから散歩を始めたいところだが、今日は太陽が雲に隠れていたお陰で、割と万遍なく猫に出会うことができた。最初の猫はスタートから5分ほどで発見。とある保育園の園庭で寛いでいた。
ちょっとびっくり気味のキジ白。こういう場所は日曜日の早朝だから撮影できるわけで、平日だったら通報されるから無理。
トラッドな鉢割れキジ白。うちのサチコが野良のままだったら、こんな感じに育っていたのかもなあ。
気温はさほどではなかったが、肌にまとわりつくような湿気のため、散歩は意外に体力を消耗する。歩くスピードを緩めてしばらく進むと、行く手の草むらに三毛が佇んでいた。
呼んだら寄ってきて、ごろーん開始。お腹に縫い目が見えているから、まだ子供だね。
とても人懐っこい子で、か細い声で鳴きながら、まとわりついて離れない。撫でたりしてしばらく遊んだ。
さっきの三毛も、このキジ白も、茶トラ白の子とはつかず離れずで、いまいち関係性が分からない。三毛が薄色の遺伝子ddを持っているようだけど、優性の法則からは、母子であることの証明にも、そうでないことの証明にもならない。ただし、茶トラ白は女の子のようなので、茶色の遺伝子型はOOとなり、両親ともに優性のOを持っていなければ子はOOにならないから、少なくともキジ白(oY)は父ではない。見た目で推測できるのはこんなもん。
……油断していると能書きが長くなるな。関係性不明な3匹のすぐ先でも猫発見。
この辺りの猫は割と友好的で、わざわざ起き上がっては来ないものの、呼ぶと返事したりして張り合いがある。
民家の隙間でご飯待ちらしき三毛。光の具合でちょっと怖い顔になってしまったけど、実際はかなり美人さん。
道端に佇む二毛。とても人懐っこくて、近寄って撫でたら、車の下でごろんごろんしてくれた。見えない場所なので写真は撮れなかったわけだけれども、鈴の音から推測。
ゴール地点の宿河原駅が近づいてきて、〆に1匹と思ってうろうろしていると、路地の向こうに白いのを発見した。
匂いチェックが終わって、立ち去ろうとしているところを呼び止めて、1枚撮らせてもらった。オッドアイの美人さん。