Apple Extended Keyboard IIのUS配列にどうしても馴染めず、体が覚えたEnterの位置に「へ」キーがあるせいで、「と思う。へ」「なのである。へ」などとやっているうちに昨夜はブログの更新も遅くなり、早起きして猫探しに出る気力が萎えてしまった。予定していた散歩地には明日行くことにして、今日は台湾猫旅の最終回を載せることにする(前回の記事はこちら)。
帰国日(1月12日)は朝から見事に晴れ渡り、虎尾での雨リベンジ散歩も無事に終えることができた。2時間あまりの散歩で12匹の猫に会ったあと、9:30発のバスで西螺へ移動。時間的に多少無理して突っ込んだため、猫探しに割ける時間は50分弱しかなく、ここへ来てすでにスタートから35分が経過していた。1930年代、建築様式の繚乱期に建てられた様々な意匠の店が並ぶ延平老街から一本隣の路地に入ると、そこは予想外の猫パラダイス。よそ者の気配を嗅ぎつけた猫たちが入れ替わり立ち替わり様子を見に現れたが、どれも逃げ足が速くて歯が立たない。時間に追われて慌てていたこともあり、カメラに収まったのは亭仔脚の柱の陰からこちらを伺うキジトラ1匹だった。
顔立ちのあどけない子。そんなんされたら、またここへ来たくなっちゃうよ。
バスの発車まであと8分。帰国日のためここから先は時間厳守で動かなければならず、競歩的スピードで念のため猫も探しながら歩いていると、路上駐車の車の陰に親子と思しき猫が佇んでいるではないか!
小さい方は三毛のお嬢さん。秒殺で終わらせるから、ちょっとだけモデルになってね。
免疫力獲得中のため目元がぐちゃぐちゃしているけど、腰が引けているので、懐いてもらえそうにないことは分かる。せっかく会えたのに残念。
疾風のように現れた日本人を眠そうな表情で眺めている。さっきの親子とは家一軒分しか離れていないので、親戚筋かも知れない。
慌ただしくバスに駆け込んで西螺を出発したのは11:10。来た時と同じ台西客運の7118系統だが、虎尾へ戻るのではなく、途中の高鐵雲林站(という名のバス停)で下車して高鉄に乗り換え、台北で降りずに終点の南港へ向かう。残った時間で何をするのかというと、もともと初日に訪ねる予定だった瑞芳へ寄り道するのである。今回の猫旅の前半はどこへ行っても土砂降りの雨だったが、殊に基隆から瑞芳にかけては雨雲レーダーの色が濃く、いつも屋根の上に姿を見せる茶渦ファミリーに会うのも困難と思われた。瑞芳を諦めて南投県の車埕へ向かった時から、屋根の上の猫たちには最後に会いに行こうと決めていたのだった。
南港から台鉄の区間車に乗り換え、瑞芳駅に到着したのは14:53。帰りの飛行機は18:25発で、出国手続きなどを考慮して逆算した結果、瑞芳の滞在時間は1時間弱と出た。駅から出てみるとやはり台湾東北部はほかより天気が悪く、虎尾や西螺があれだけ晴れていたのに、今にも降り出しそうなくらい曇が厚くて暗い。猫たちが集うはずの屋根に猫影はなく、仕方がないので駅の周りをぶらぶらしていると、業務用スペースで寛ぐ猫グループに遭遇した。
いちばん大きいのがいちばん臆病。車の下で頑張っているのは母かな。
瑞芳の街なかにも夥しい数の猫がいるはずだが、この日はからっきしで、知っている猫拠点をいくつか訪ねてみたもののまるでダメ。とある大衆食堂の店先で見かけた黒白が唯一の収穫だった。
台湾名物「騎著機車的貓」が見られて良かった。帰りの普悠瑪号が出るまで30分くらいあるけど、猫はもういないかなあ。
あとは帰国するだけと思い、とぼとぼと駅に戻ると、屋根の上から茶渦猫が顔を出した。1年ぶりだけど元気そうで良かったよー!
奥の方には黒いのもいた。ここって茶渦だけじゃなかったんだな。
観光客の姿もまばらな瑞芳駅前の屋根の上に2匹の猫。天気に恵まれず、茶渦ファミリー全員に会えなかったのも残念だが、それもこれも猫探しの醍醐味ということにしてその場をあとにした。普悠瑪号が発車すると、小さな瑞芳の街はすぐに見えなくなった。
猫を探すためだけに台湾へ渡る「台湾猫旅」はこれで最後にするつもりだったが、雨で諦めた散歩地が多く、特に台南と台西で猫を探せなかったことは未だに心残りだ。とはいえ次回を設けるとすれば、このブログをいつまで続けるかという問題にもなり、もともと今年の6月か7月で終わろうと思っていたのと矛盾してくる。単にモチベーションだけの問題ではなく、俺自身の健康管理とか、家族とのコンセンサス的なことも絡むので、よく考えた上で決めたいと思う。
……とまあそれはそれとして、とりあえず瑞芳の猫たちに会いたいので、近日中にもう一度行く!