キヤノンからEOS 5Dsが発表されたので、カメラを扱う人間として一応チェックしてみたが、値段を見て1秒後にそっとページを閉じた。本体だけで50万、レンズつけたら100万コースじゃんか。
フィルムカメラの時代、上がってくる写真の画質は大方レンズで決まった。部活で写真をやっていたころ、みんなの憧れはキヤノンならF-1で、定価は15万円ぐらいだったと思うが、それを諦めてA-1にした人や、親からもらったFTbを使っていた俺のような人間でも、同じ条件下で撮った写真の画質に差は生じない。F-1が世界中のプロカメラマンに愛用されたのは、高速モータードライブなどの拡張性、機能性、そして堅牢性が極めて高かったからだ。本体価格の差が画質の差になるデジタルカメラは、昔のカメラとは異質のものだと思う。
俺の方針は、第一に出退勤時など毎日持ち歩いても負担にならず、第二にラフな使い方をして壊れても財政に影響が小さく、第三に猫が好きでここを見に来てくれる人々が楽しめる程度の画質を満たすこと。体と財布のことを抜きにすれば、645Zとか欲しいけどねえ……。
今日の出勤前の猫散歩は立川の茶猫タウンに行ってみた。わずかに日差しがあったものの気温は低く、八王子では5℃程度までしか上がらなかったので、あんまり期待していなかったんだが、意外にたくさんの猫に会うことができた。
その1匹目は、駅前に常駐している黒白。駐輪場の入口でじっとしていた。
いつもなら逃げられるところ、今日は鼻先にカメラを向けても大丈夫だった。
黒白に構っていたら、風に乗って猫の鳴き声が聞こえて来た。美人さんの妹かも知れないから、ちょっと行ってみよう。
ごろごろすりすり遊んでいるうちに、また水飲み場に登ってきた。君はここが好きなんだね。
砂利の駐車場はアプローチが難しい。少し前に出たら塀の向こうに逃げてしまった。
次も三毛。これは焼き芋屋台かな。今どき手牽きの屋台というのも珍しいな。
「今はそんなに出番がないのよ。牽く方も牽かれる方も、だいぶくたびれちゃっているの」
線路を渡って茶猫タウン北にやってきた。路地の向こうから猫がぞろぞろ。ご飯の時間かな。
「食べたいなら、長老に挨拶して来なよ。それが社会のルールというものだよ」
隣の路地でも猫発見。終盤になって、ようやく茶猫タウンらしくなってきた。
最後に立ち寄ったのは、お気に入りの三毛ちゃんが住む猫民家。今日はキジ白が見張りに出ていた。
みんなでにゃあにゃあ鳴きながら、隣の路地までお出かけ。この子が家の敷地から出るの初めて見た。