バカである。
今日は横浜線猫行脚の3回目。その昔「国電区間」と呼ばれていた通勤路線の中では、比較的駅間距離の長い横浜線だが、今日歩いた菊名~新横浜はその中で最も短く、わずか1.3kmしかない。その短い区間をとんでもなく大回りして、18kmも歩いてしまった。
そんなに歩くことになったのは、思うように猫が見つけられなかったからだが、駅の近くを流れる鶴見川を渡る橋が少なかったことも理由の一つだ。結果的には、歩いた分だけ猫にも会えたが、思いっ切り明日に疲れを残す散歩になってしまった。
菊名駅を出発したのは8時半。雨上がりの朝ということで、わんさか見つけるつもりで歩いていたが、1匹たりとも会えないまま40分が経過した。
ようやく見つけた1匹目は、庇の上からこちらを睨むキジ白。ここまで来るのに山を一つ越えているので、早くも体は疲れ気味。
横浜というのは人懐っこい人が多くて、猫にカメラを向けていると、頻繁に声をかけられる。クロちゃんという名前は、たまたま通りかかったOL風の女の子が教えてくれた。「呼ぶと返事するのよ」と言うので、名前を連呼したら、5回目ぐらいで「うにゃあ」と返事した。
民家の庭に引っ込んだので、出てくるのを待ってみた。何しろここまでで1時間半経過しているので、一匹一匹を大切にしないとならん。
道端にベンチを見つけて、一服しながら休憩していると、植え込みの向こうから、長毛サビ猫がこちらを注視していた。
ものすごく警戒心が強くて、これ以上は近寄れず。逃げられては戻ってくるのを3回繰り返して諦めた。
大白斑のサバ白かな。この手の毛色にはオッドアイが多いので、舌を鳴らして目を開けてもらった。どうやら普通の黄色い目のようだね。
お昼近くになって、天気は曇りがちになってきた。中途半端に薄曇りだと、デジカメ特有の白飛び写真になってしまうので、曇るならちゃんと曇れーと念じながら歩いていると、目の前を猫が横切って行った。
元来た方を振り返る二毛婆さん。よだれが出ているのは、年のせいというより、口内炎ができているからかも知れない。
婆さんの視線の先には茶トラがいた。こちらはだいぶ若いようだね。
新横浜に近づくにつれて、街は商工業地帯となり、猫の気配を感じにくくなってきた。いないわけではないと思うが、行き交う人や車の喧噪で勘が働きにくくなってくる。すでに15km近く歩いて萎えかかった心をリセットするため、街外れの緑地帯に行ってみると、小さな畑の周りで4匹の猫が寛いでいた。
今日の横浜の最高気温は14.2℃。日に当たってまったりするにはちょうどいいかもね。
人懐っこい猫たちに会ったあと、再び街なかに戻ってきた。とある工場の中からこちらを見つめる視線あり。
ようやくゴールが見えてきて、棒のようになった足を引きずりながら歩いていると、「にゃあ!」と威勢のいい声が聞こえた。
カメラを構えたら駆け寄ってきた。まとわりついて離れないため、しばらく撫でたりさすったりして、一瞬止まったところをすかさず1枚。
茶トラに誘われて迷い込んだ植え込みの陰では、2匹の猫が日なたぼっこ中だった。
長かった散歩はこれでおしまい。結果的には歩いた分だけ会えたけど、ちょっと駆け足の紹介になっちゃったなあ。