猫散歩から戻ったあとは、地図を眺めつつ、出会った猫たちや街の様子を思い出しながら、撮った写真を整理するんだけれども、今日の散歩は、思い出すことを身体が拒絶している感じだ。久しぶりに出かけた横浜線猫行脚は、今までの区間の中で最も坂や階段が多く、この前行った山寺の1,050段など可愛らしく思えるぐらいだった。
平らな道がほとんどない街を10km歩いて、見つけた猫は規定数ぎりぎりの3匹。住んでいる人は駅と自宅の間だけ我慢すれば済むが、配達員や営業マンなんかは、さぞかし大変だろうと思う。
駅を出ていきなり階段の洗礼に遭い、膝やケツに支障を感じながら、最初の猫に出会ったのは出発から30分後。道端にキジトラが座っていた。
……と思ったら、数秒だけ立ち止まったあと、自分の家に入って行った。
さらに40分後。とある民家の庭に目をやると、奥の方に猫がいるのを見つけた。
頑張って呼んでみたけど、まったく動きのないまま寝てしまった。毛色はブラウンマッカレルタビーポイントだと思う。
3匹目が見つけられないまま、さらに1時間半経過。こんなところには二度と来たくないので、何とか規定数を満たそうと中山駅の周りで粘っていると、雑居ビルの隙間でようやく白いのを発見した。
死角になれば出てくるかなと思って待っていたら、すごい勢いで通過していった。お陰で次の区間に進めることになったけど、嬉しいような悲しいような、複雑な気分だ。