世の中は盛大に連休中で、今日あたりは気温も上がって絶好の行楽日和になったようだ。俺は夜勤明けの猫関係業務にいそしむため、南武線で南多摩に向かい、是政橋を渡ってあちこち歩いてみたが、暑くなりすぎて猫影はまったくなかった。
予定では数匹見つけて府中本町から再び南武線に乗るつもりでいたが、ただの1匹たりとも見つけられず、分倍河原まで延長してようやく最初の猫と出会うことになった。南多摩を出発してから1時間20分が経過していた。
セミロングの美人さん。逃げないようにそーっとそーっと。
……そこまで行っちゃいますか。
気を取り直して散歩続行。終盤に差しかかり、次の猫は唐突に現れた。
巡回帰りかな。気づかないふりしてるけど、絶対意識してるな。
（鬱陶しいのが来たわね）
日陰に落ち着いたので、ポートレートを撮らせてもらった。今度は小顔の美人さんだ。
「あら、分かってるじゃない。もう少し撮ってもいいわよ」
6.5kmに渡る散歩で見かけたのは2匹の美人猫で、残りは家に帰る道すがらの2匹。駅近くの避暑地で涼んでいるのがいた。
まだらの黒は逃げる姿勢だけ。何度か会ううちにセレモニー化してきている。
やんちゃ顔の茶トラ白はたぶん2回目。カメラを向けるだけだと塀の奥へ引っ込んでしまうが、手土産でもあれば懐いてくれるかも知れない。
