いつもなら目が合っただけで離れていくのに、今日は珍しく向こうから近寄ってきた(ほんの少し)。
平和裏に夜勤を終えて、職場を出たのは10時すぎ。バスの時間には中途半端で、久しぶりにだらだら坂を通ったら、毛繕い中の2号に会えた。俺の知る麦わらの中では、この子が最も整った顔立ちをしている。
ここは日野のとある猫民家。散歩コースを甲州街道~日野に設定して歩いたのはいいが、前半まったく猫影がなく、そろそろヤバいなーと思い始めたところ。いない時は1匹もいないので、今日はタイミングが良かったかも。
左の毛玉みたいなのは流れ者らしい。まだらの黒白が誰何していた。
「もう少しでお昼ご飯だから、近所の子たち、みんな集まって来ちゃうのよね」
あんまり長く張り付いているのもアレなので、一旦離れてその辺をぶらぶらしてみる。線路端に出ると、向こうから三毛が現れた。
君は最初の三毛によく似ているね。兄妹だってはっきり分かるね。
この子の素性が不明。同じ三毛でもI遺伝子でキジ色部分がサバ化している。あの2匹の子のようには見えないな。
「僕たちの関係性は、ニンゲンには理解不能だから、考えるだけ無駄だよ」
さっきは大きめの子猫のように見えたけど、こうして見ると、もっと年長さんのようでもある。女の年齢は分からん。
庭を覗くと、茶トラ白の子供がいた。大きな体にアンバランスな童顔は、男の子ということになるのだろうか。