横浜線猫行脚はいよいよラストスパート区間に入った。2015年2月に東神奈川をスタートして、最後の区切りとなる橋本へ至るまでに2年もかかったのは、この沿線には新しめの造成地が多く、どこも坂だらけで、猫にもなかなか会えず、モチベーションの上がる要素が何一つなかったからだ。それでも何とか終点まで4駅のところまでたどり着いたわけだが、このあと標高233mの御殿山が控えている。電車はこの山をトンネルで越えるが、猫探しの散歩では、御殿山東方の御殿峠を越えるか、それとも西方の七国峠を越えるか、どちらかを選ばなければならない。何本かの幹線道路のほか、奈良時代や鎌倉時代から残る古道もあり、通るには困らないが、民家は途絶えるので猫探しは難渋するかも知れない。
予報では朝のうち曇りとのことで、少し寝坊して遅めに出発するつもりでいたら、朝からドピーカンになったため家を出たのは6:10。八王子を経由して出発地の橋本駅に降り立ったのは6:51。気温は15℃ほどだから猫探しには適しているが、時間の経過とともにぐんぐん上がってくるはずだ。先日、夜勤明けに歩いて1匹も見つけられなかったこともあり、慎重に足を運んでいると、日の差さない細い路地でキジトラに行き会った。
平たく言うと、でかい顔の子。うちのサチコの1.5倍ぐらいありそうだ。
そんな俺たちの様子を見つめる視線が……。ここ、もしかして猫路地?
横丁からぎゃあぎゃあ聞こえてきて、覗いてみると背中を丸めた三毛がいた。
最後まで見届けようと思っていたら、バレてしまった。猫の喧嘩って、サシじゃないと白けちゃうみたいね。
夜勤明けの時はさっぱりだったのに、今日は割と調子いいみたい。早起きって大切だな。
グリーンアイの美人サバ白。せっかくいい天気なんだから、外に出てくればいいのに。
1991年に京王相模原線が延伸開業するまで、橋本というのは不便な街で、都心に出るには八王子か町田を経由しなければならなかった。にもかかわらず古くからそれなりに栄えていたのは、この一帯が軍事都市として開発されていたためで、駅から離れればたちどころに畑が多くなる。日差しが強くなるにつれて猫の気配もしなくなり、そろそろ店じまいかと思っていると、進行方向に小さな黒い点が見えることに気づいた。
橋本をスタートしてからちょうど1時間。巡回帰りと思しき猫に遭遇した。
正面に回り込んで1枚。赤茶けたキジ色にレッドの混じった麦わらだね。
近寄って逃げるほどではなかったが、カメラは苦手のようだ。指の匂いで挨拶することに成功した。
散歩を終えた帰り道は、八王子ではなく片倉で乗り換え。定点の猫拠点を通りかかると、車の下で伸びているのがいた。
次回の横浜線猫行脚は山越え。下山先は新興住宅街なので、猫的に厳しい散歩になるかも知れない。