梅雨らしくどんより雲って湿っぽい朝、10日ぶりとなった日勤前の早朝散歩は、猫物流跡地を訪ねて豊田から北八王子まで歩いてみた。道中何匹かの猫に会えたが、今日は掲載順序を変更して、23日に全線踏破した横浜線猫行脚の最終回・片倉~八王子の後編を先に載せる。今日の猫はいずれ天気の悪い日にでも。
片倉を出た横浜線は、ほぼ真北に位置する八王子を一直線に目指すことはせず、東側に弧を描いた線形を取る。直線距離なら1.7kmのところ、2.6kmかけて遠回りするのは、丘陵地を避けるためであろうし、八王子駅へ直角にぶち当たっては、中央線と物理的に接続できないからでもあろう。もともとこの路線は中央線沿線各地で産出された絹製品を輸出するため、八王子と横浜港を短絡する目的で敷設された。貨物列車が乗り入れられなければ意味がないのである。
片倉から真北に向けて歩いていた俺は、そういうわけで線路とは一旦離れたが、八王子の栄えてない方へ至ってもなお淋しい猫数だったため、栄えている方の顔馴染みたちに助けを求めることにした。中央線の踏切を渡り、歓楽街の柳の小路を覗いてみると、果たして黒いのと茶色いのが道端に佇んでいた。
黒は顔見知り。以前は幼くて、手をかざすだけで寄ってきたが、今はだいぶクールになった。
この子には何度もお世話になっている。代表的なところだと、1年ほど前の三毛日和の時とか。
敷地の奥には黒がもう1匹。穏やかな顔つきとは裏腹に、とても臆病な子。
茶トラ白は三毛が気になるみたい。親子ではないと思うんだけどな。
この子は古い顔見知り。この日は珍しくごろーんを見せてくれた。
ごろーんのあとも、しばらくの間、つかず離れずで歩き回っていたが、暑くなってきたのでここでお別れ。
そろそろ散歩もおしまい。帰宅するため八王子駅へ向かっていると、最後の猫拠点で黒に遭遇した。
目の前のカリカリは湿気てしまって気に入らないようだ。なぜそんなことが分かるのかというと、俺が与えたカリカリは食べたからだ。
美味しいものに敏感なのがもう1匹。微妙な毛色だけど、クリームマッカレルタビー白かなあ。
敏感なのがさらに増えた。不用意に食べ物を出すとこういうことになる。茶色い2匹は飼い主にもらってください。
去り際も未練がましくこちらを見つめる2匹。帰宅してから調べたら、クリームの方は真冬の1月にも会っていた。あの時は氷点下6℃近い朝で寒かったなー。
長かった横浜線猫行脚はお目々まん丸のクリームちゃんでおしまい。最後に今回の猫行脚のデータを列挙しておく(カッコ内は南武線猫行脚のデータ)。
路線延長42.6km(39.6km)に対して歩いた距離は176.3km(258.2km)。出会った猫は140匹(275匹)だった。平均すると約1.3km(0.9km)に1匹見つけていることになり、南武線はもちろん、普段の猫散歩よりもだいぶ成績が悪い。南武線の時は路線延長の6.5倍も歩いたのに対して、横浜線が4.1倍に留まっているのは、沿線が丘陵地帯で坂道が多く、体力が尽きるのが早かったからだ。
140匹という数だけ見れば、わざわざ2年4ヶ月もかけなくても、台湾に数日滞在すればそれくらいの猫には会える。平溪線猫行脚とか一日でやっちゃうのもいいかも知れない。