台湾のことは帰ってきてからゆっくり書けばいいという話もあるが、それだといちいち前説が長くなるので、不在中に旅程だけ軽く紹介しておく。今日の予定は朝の虎尾でサトウキビ列車や猫を堪能したあと、路線バスで台西へ向かうことにしている。台北、台南、台東は大きな都市なので、どれもみんな知っていると思うが、台西という地名はマイナーで、台湾人でも知らない人が多いらしい。台西は雲林県西岸に位置する人口25,000人ほどの郷(郷は日本の村に相当)で、鉄道路線から遠く離れている上にバスも少なく、宿泊施設すらないため、旅行者にとっては非常に不便で行きにくい土地だ。今回の猫旅でもスケジュール作成の重い足枷になったが、東西南北完訪には欠かせないので、ここは頑張って堅持した。なお、雨に降られている可能性が高いので、猫に会えているかはまったく予想がつかない。
今日の予約投稿は名古屋猫旅の3回目。古い宿場町をあとにして、宅地化の進んだ丘陵地へと足を進めたところで前回の記事を結んだわけだが、あとで調べたところ、宅地の方が土地の歴史は古いらしく、古鳴海と呼ばれるあたりは平安時代には旅籠として栄えていたそうだ。ちなみに「鳴海」と聞くと海が鳴るから鳴海と連想しがちだが、そうではなく、「緩やか」とか「穏やか」を意味する「なるい」という形容詞が語源になっているそうだ。つまり形容詞に名詞化接尾辞の「み」がついて「なる・み」。丸みとか深みとかの「み」と同じ用法だ。
……また能書きが長くなってしまった。猫の方はとある民家の敷地で見かけたキジトラから。
そのまま逃げられると思ったら、枯れた側溝に収まった。少しだけそのままでいてね。
コンクリート擁壁の向こうは民家の敷地。引くともう1匹写っているのが分かるかな?
どういう遺伝でこういう毛色になるんだろうねえ。親の顔が見てみたいよ。
カラーポイントの3匹を観察した結果、タヌキ顔は遺伝するということを学んだ。次の猫は小さな公園で遭遇。
お昼寝中の黒白。この日は名古屋でも気温が10℃に届かず、暖かな日差しはとても貴重だ。
1匹いるならほかにもいるはずと思い、その辺を一回りしてみたが空振りで、元の場所に戻ったら起きていた。近所の人に撫でられていたようだ。
昼食ののち、緑区から天白区に入り、時刻は13:40。歩行距離も14kmを超え、そろそろ疲れたので終わろうと思って地下鉄の駅へ向かっていると、とある路地で黒いのを見かけた。
唐突に、これは別猫。さっきの黒に逃げられて、その辺を探し回っていたら、民家の庭からこちらを見つめていた。
この子もお目々まん丸だけど、敷地の中じゃどうせ近寄れないからなあ。
「君はアプローチが雑なんだよ」とのたまうのは最初の黒。どちらもまだ若く、似たような年格好なので、兄弟かも知れない。
地下鉄の駅から数百mしか離れていないのに、この風景。「大いなる田舎」の面目躍如だな。
鳴海から鳴子北までで見かけた猫はこの子が最後。このあと地下鉄で本山へ移動し、翌12月10日の散歩地を下見してみたが、人通りも交通量も多い猫洞通の沿道では1匹の猫も見かけなかった。果たして猫洞通に猫はいるのか、若干の不安を抱えたまま、名古屋猫旅のレポートは明日へと続く。