日付は1月11日、2018年台湾猫旅の4日目。南シナ海を望む省道を快調に飛ばして、墾丁快線バスが枋寮に到着したのは11:35。恆春を出発してから50分間のバス旅だった。
枋寮は去年の猫旅2日目の宿泊地でもあって、偶然にも同じ日付の1月11日に散歩した街。あの時は朝から2時間ほど歩いてたくさんの猫に会えたが、今回は乗り換えのついでにちょっと立ち寄る程度のつもりだった。もともとこの日は南迴線に沿って台東へ向かう計画だったので、西海岸でゆっくりしている時間はなかったからだ。
雨リベンジのため行き先を変更したことで、枋寮では1時間20分ほど散歩できることになり、そうなってくると気になるのは去年会った猫たちの消息だ。ごろごろすりすり人懐っこくて、別れ際ずっとこちらを見つめていたあの黒白は元気かなと、海辺へ向けて散歩を開始したのは11:40。まず始めに遭遇したのは、枋寮駅近くの路地に潜む茶トラだった。
カメラが向けられていると、狙われているように感じるのだろう。道路に飛び出して逃走を図ったところ、何とか呼び止めて1枚。
門扉に隔てられて安心したのか、中腰で様子見態勢に入った。痩せてもなく太ってもなく、動作は俊敏で、猫の体型はこのくらいがいいなと思わせる子。
駅前通りの商店前で猫発見。リードで繋がれているので、ここの飼い猫だね。
今いち意思の疎通が図れなかった反省を踏まえ、次の猫はこのようなアプローチを試みた。
我に返って飛び退いた黒。よくよく見たら、去年来た時にも会った子じゃないの。真っ黒だから分かりにくいけど、捻転した下顎の犬歯と巻き尻尾で判別できた。去年と同じ場所でお昼寝しているのだから、ここはよほど平和な場所なんだなあ。
見覚えのある子がもう1匹。あれは去年、お母さんと一緒に路地を歩いていた子猫だ(こちら)。
注意深く近寄ったがこの反応。去年は尻尾ぴーんだったのに、みんな俺を追い越して大人になってしまうのね。
懐かしい2匹に会えて嬉しかったが、残念ながら人懐っこい黒白の姿は見えず、諦めて街なかへ戻ってきた。道路の両脇に1匹ずついるのが分かるかな?
その背後には可愛らしいのが1匹。母の視線が俺を捉えて離さない。
「そういうことにしといてくれ」とでも言いたげな長老ほか1匹を撮影していると、やにわに雨が降ってきた。空はうっすら青いので油断していたが、雨雲レーダーを確認すると、ごく狭い範囲でにわか雨が降っているようだった。短時間で止むと分かっていても、それなりに強く降っているので撮影には差し支える。「もう雨は勘弁してくださーい」と一人ごちつつ、駆け足で枋寮駅を目指したのだった。この続きはまた後日。