かつて函館・大門の柳小路に「王さん」という中華料理店があって、ここは俺が中学生のころから自発的に何度も通った唯一の食堂だった。「自発的に」というのは要するに、ほかに店がないからとか、安いからというような消極的な理由ではなく、その店の料理が食べたくてわざわざ赴くという意味だ。最後に行ったのは確か2007年で、祖父の葬儀に参列するため妻とともに帰省した時だったが、その後、行こう行こうと思って機会のないまま2015年に店を畳んでしまった。あるブログには「諸般の事情により」と書かれていたが、諸般も何も、寂れ切った大門の惨状を考えれば、どのみち廃業は避けられなかったことだろう。俺が食べていたのはもっぱら味噌ラーメンで、大人(自称)になってからはビールと一緒にザンギやザリージも注文するようになった。北海道でザンギと呼ばれる鳥の唐揚げは、今でこそ割と知られるようになったが、以前は道外では通じないとして有名な言葉の一つだった。ザリージというのは豚の唐揚げで、こちらはザンギより格段に知名度が低く、北海道はおろか、函館でも知っている人は少ないかも知れない。どちらも陶陶亭という老舗中華料理店が考案した料理で、ここの料理長だった人が独立して開業したのが王さんというわけ。陶陶亭の流れを汲む本格的な中華メニューは、ぱっと出のラーメン屋などとは一線を画していたが、今はもうどちらの料理も食べられない。何で急にそんなことを書いたのかというと、2007年2月、最後に王さんに行った時の写真に、偶然猫が写っているのを見つけたからだ(こちら)。11年間まったく気付かなかった。
まあそんなことはどうでもいいんだが、今日の夜勤明けの散歩は、多摩南部地域病院バス停〜堰場バス停まで歩いてただの1匹も見つけられず、予定より早く一昨日のこまこま散歩を載せることになった。「こまこま」と言ってもいつものように高麗〜高麗川を歩き通すのではなく、高麗を出て高麗に戻るという、ごく短いプチ散歩だった。
まだ日差しの赤い駐車場で見かけた白猫がこの日の1匹目。東飯能で乗り換え時間が20分以上あったので、駅の周りをぶらぶらしていたら見つけた。
首輪をしているのでこの家の子かな。桜が満開になるくらい暖かいのに、まだ冬毛のように見えるね。
こま猫の1匹目は毛繕い中の三毛。元気にしていたようで何より。
前回ここに来たのは去年9月だったから、半年ぶりかと思っていたが、その時は珍しく出てこなかったんだった。なのでこの子に会うのは去年の桜の時期以来。ちなみにその時の写真を見ると、4月13日に満開の桜と一緒に撮っているので、今年の桜がいかに早いかが分かる。
巡回中らしく落ち着かない茶トラ白。この子も去年の桜以来。
女の子が3匹揃ったところで1枚撮ろうとしたら、地面の2匹が逃げ出してしまった。茶トラ白とは相性が良くないみたい。
三毛はどこかに隠れてしまい、二毛は離れた場所で毛繕い開始。猫の世界も複雑だな。
プチこま散歩は後編もあるので、残りも近日中に載せる予定(こちら)。果たして今年、おいしい牛乳は無事だったのか!?