雨が近いことを知らせるアラームがぴろんと鳴って、のんびりしていたはずの夜勤前の身仕度は急に慌しくなった。雨雲レーダーを見ると、メッシュ状の青い塗り分けが西から迫っていて、予定していた西八王子から八王子への散歩は、その下へ自ら突っ込んでいくことを意味していた。
――東へ向かわなければならない。しかも速やかに。
バス停へ向かう予定を変更して目標を駅に変え、電車を乗り継いで目指したのは稲田堤。家を出た時に高尾山あたりまで達していた雨雲は、30km/hほどの速さで南西方向へ移動していると思われ、ここまで来れば当面安心のはず。まずはどの猫を撫でようかなどと駅のトイレで思いを巡らせ、小用を足して改札を出ると外は雨だった。なぜなのだ……。
1匹目は意外な場所で見かけた。
ここは美人ポイントさんの家。一昨年の8月を最後に見なくなって半ば諦めていたが、代わりに白が現れたのだった。ここは白猫の多い地域なのだなあ。
せっかくだからほかの白にも会っていこうと思い、定点の猫拠点へとやって来た。なんかもうこの距離から逃げられててがっくり。
瞳も毛並みもきれいな猫だったが(昨年7月の様子)、いつからか両目の炎症がひどくなり、良くも悪くもならないまま現在に至る。
オッドアイと一緒に濡れ縁にいた子。B遺伝子座が優性ホモのBBだと毛色が赤茶けるらしいが、サンプルがあるわけではないので何とも。
……で、再び白猫。今度は左耳カットの子。ここの猫はどれも臆病だが、この子は多少友好的。
奥の方で目を細めている耳カットなしが4匹目。この子はあまり見かけない子で、時々存在を忘れて、ブログの記事に「ここの白猫は3匹」と書いたりもする。
白猫といえば中野島にも知り合いがいたなと思い、30分ほど歩いてねぐらの駐車場を覗いてみたが、あいにく今日は不在。代わりに見かけたセミロング茶トラ白は止めてある車を嗅ぎ回り中だった。
匂いが気に入ったのか、茶トラ白はそのまま車の下に落ち着いた。いつの間にか雨は上がっていて、俺は散歩中にコンビニで買った傘を持て余すことになった。