夜勤明けの猫散歩で、六花咪の住む谷戸の公園に立ち寄ったら、ちょうどご飯の時間だったようで、近所の人が来て猫たちに水とカリカリを与えていた。軽く挨拶を交わしたあと、猫たちの事情を教えてもらったところ、人懐っこい六花咪にはかつて里親が現れて、引き取られて行ったことがあったが、先住猫に怯えてしまって手がつけられず、飼育を断念したことがあったそうだ。いくら同じ種とはいっても、生い立ちの異なる個体を無造作に一緒にしても、上手く行かないことの方が多い。人間社会でもそっくりそのまま同じことが言えるなあと思った。
短い猫談義の中で、かつて近所に住んでいた黒猫の話が出て、よくよく聞いたら、以前時々見かけていた2匹のことだった。
「インターネットに動画を載せた方がいて、夫婦って書かれていたようだけど、あれは親子なんですよ」
「あ、それ私かも……」
「あらま」
3年ほど前に何度か会った親子猫は、その後ぱったり見なくなって心配していたが、現在はどちらも安住の地を見つけたとのこと。一方、以前谷戸の公園で見かけていた、くたびれたキジ白(六花咪ではない方)は、しばらく前に体調を崩し、最期は病院で看取られて死んだそうだ。俺はただ単に見かけた猫を撫でて、写真を撮るだけの日々なので、彼らの消息を知ることができるのはありがたい。
今日の六花咪。お腹を空かせて鳴き続けていたのか、声が枯れていた。
黒白もでかい声で鳴いている。例年ならそろそろどんぐりの絨緞ができる季節なのに、今年はスカスカだねえ。
どんぐりがないというのは、自然界では割と重大なことだと思うんだが、イエネコの暮らしには影響がないようだ。
たどり着いたのは定点の猫ポイント。はるか彼方に転がる猫発見。
裏路地から表側に回ると、ここにも1匹いた。たぶんさっきのとは顔見知り。
小白斑はそそくさと逃亡。大白斑は鼻に傷なんかあって強そうだ。
明日から5日間の台湾猫旅に出る。記事は事前に用意してあり、予約投稿で毎日18時に公開するのでお楽しみに。