最近の俺はちょっとやさぐれている。どうせ今日も真夏みたいに暑くなるに決まってるし、猫なんか探したって死にそうになるだけで見つかりっこない、引きこもって桃太郎電鉄やって貴重な休暇を潰してやるーと、昨日の寝る前から固く誓っていたんだが、夜間頻尿により朝早く目が覚めてしまい、ほかにすることもないので6時に家を出て新宿へ行ってきた。
混雑すると分かり切っている京王線でわざわざ新宿を目指したのは、副都心近くの住宅地に住む、チョコ白の一味に会うことを思いついたから。出現率が高いわけでもなく、懐かれているわけでもないんだが、子猫のころからの顔見知りなので、何となく気になる存在になっている。数ヶ月〜半年に一度ぐらいしか行かない場所なので、会えるかどうかは運次第なわけだが、残念ながら今日はツキがなかった。
そんなわけで1匹目は黒白。
背後からにゃあと呼ぶ声がして振り向くと、道端にキジ白がいた。
逃げるキジ白について自宅まで来ると、屋根の上からも声が聞こえた。
鉢割れの形は少し違っているけど、目元や鼻の形がよく似ているね。
日陰の暗いところに潜んでいるのもいる。俺みたいに暑さにやられてやさぐれているのかな。
この耳の曲がり方は後天性かな。この街には折れ耳がもう1匹いるけど、それとは性質が異なるように見える。
足に骨瘤はなさそう。かつてのシャム猫のように、血統種の流行がイエネコの未来を変えていく。
この街に茶系はいないのだろうかと思って、最後にもう一回りしていると、偶然にもスタイリッシュ三毛さんに遭遇できた。これは何という僥倖だろう。