多摩川ネタばかりで恐縮だが、散歩コースの宝庫なので流域を訪ねる機会は多い。夜勤明けの今日は多摩モノレールに沿って、多摩センター〜松が谷、甲州街道〜万願寺という二つの区間を歩き、そのうち後者が多摩川流域のコースだった。
昔から多摩川沿岸に住んでいる人にとっては今さらの話だが、この川の流域には、自治体が異なるにもかかわらず、左岸と右岸で同じ名前を持つ町丁がいくつもある。例えば国立市石田と日野市石田、府中市押立町と稲城市押立、調布市布田と川崎市多摩区布田、世田谷区宇奈根と川崎市高津区宇奈根、世田谷区等々力と川崎市中原区等々力などなど。これはかつて多摩川が暴れ川で、氾濫のたびに流路を変え、もともと一つだった集落が、川を挟んで泣き別れになったことが原因だ。タモリ的な散歩が趣味でもある俺は、こうした土地を訪ねるついでに猫を探したりもしていて、今日の散歩では、それらの中で未だ猫を発見できていない日野市石田を絡めてみた。ちなみに対岸にある国立市石田は、国立市の町名整理審議会の答申で名称が消滅することが決まっていて、現在は矢川駅近くにほんのわずかな面積を残すだけとなっている。猫はすでに見つけてブログにも載せており、こうした形であっても、古い地名を記録に残せたことは良かったと思っている。
一つ目の多摩センターから松が谷は六花咪に会いたくて訪ねた区間。舌を鳴らしながら谷筋を歩いていると、にゃあにゃあ鳴きながら階段を駆け上ってきた。
この季節になってもまだ蚊がたくさんいる。あんまり長居はできないねえ。
六花咪の首筋に蚊。カメラを構える俺の右手にも蚊。今日は息が合っている。
先日は毛並みが荒れていたけど、今日は割といい感じ。過ごしやすい季節になったからかな。
松が谷からモノレールに乗り、甲州街道に到着したのは11:47。駅を出てほどなく、こちらを睨む麦わらに行き会った。
初対面でそんなに睨まれるほど悪いことしてないつもりなんですが……。
一方こちらは定点の猫拠点。常駐の2匹が地面でまったりしていた。
かつて「日野の猫民家」と呼んでいた猫民家前で久しぶりに猫を見た。
まだ若い感じのキジトラ。ここに数多くの先達が暮らしていたことをこの子は知らないのだろうなあ。
さっきのと似た毛色だけど、こちらの方がやや薄く見える。カメオタビーというやつかな。
石田という土地は日野側が本家で、もともと藩政村の石田村だったところ、17世紀末ごろ多摩川の氾濫により一部住民が対岸へ移り住み、国立側に石田村飛び地ができたそうだ。石田村飛び地は1889年に近隣の谷保村、青柳村と合併し谷保村となり、その後の人口増加に伴い1951年に国立町へ、1967年に国立市へと昇格している。国立市としては、石田は「谷保に比べると歴史は浅い(答申)」ので、地名を残すには至らなかったとのこと。昔会った国立市石田の猫は、日野市石田の猫の末裔だったりするんだろうか。