今日の夜勤明けは帰国後最初の散歩をするつもりだったが、あいにく朝から雨が降っていて、雨具も持っていなかったので諦めた。代わりに現時点で用意できている台湾猫旅の写真を16点紹介するが、ほかはまだほとんど手つかずで、写真の取捨選択すら終わっていない。ざっと数えた感じだと、95匹の猫を13〜14回程度の連載で載せることになると思う。
さて、台湾猫旅の初日は彰化県・和美に投宿した。和美は台湾西部の内陸に位置する人口9万人の鎮(日本における町に相当)で、台鉄の彰化駅からはバスで20分ほど。これといった観光地がないので知名度は低いが、俺がここで猫を探そうと思ったのは、前日夜の旅程に台中線の乗り潰しがあり、宿泊地はそれに近い場所にしたかったからだ。候補はほかにもいくつかあったが、日本人の名前のような地名に興味を覚え、和美に決めた。
ネットで調べたところ、古くは卡里善と呼ばれており、原住民の平埔族(貓霧揀語族)の言葉で「美しい環境と温暖な気候の地」を意味するそうだ。のちに入植した漢人がこれを「和美線」と訳したのが和美の始まりで、語感から日本統治時代につけられた地名だろうと思っていたが、そうではなかった。
台湾猫旅2日目(11月26日)の散歩開始は6時半。日の出から10分しか経っておらず、猫を見つけて撮った写真も暗くてざらざらだ。
民家の敷地で眠そうにしていた黒白。朝っぱらからお騒がせして済みませんね。
時刻は7時ちょうど。頻繁にスクーターが乗り入れてくる路地で次の猫を発見。
睨んでいたのは地面に子供がいたから? こちらは近寄る間もなく一瞬で逃亡。
屋根の上のサビは目がまん丸。親子水入らずに水を差してしまったか。
ちなみに「水を差す」という慣用句、台湾華語でも「潑冷水」というんだって。
老街市場の細い路地に迷い込むと、高みからこちらを眺めているのがいた。
きれいな毛並みのキジトラ。挽面屋さんの猫かしら(挽面は台湾の美容法)。
和美の街を一回りして宿の前に戻ると、向かいの道端にサビがいた。
和美民宿の小姐が言っていた、「二九のほかにも猫がいる」というのは、もしかしてこの子たちのことかも知れない。
このあとバスで彰化駅に戻り、二水、嘉義と散歩を進めていくわけだが、バスを待っている間にもう一度だけ出会いがあった。続きはまた後日。