城東地区は一段落


足立区の猫

 いよいよ本格的な冬の到来となり、週間天気予報にも氷点下の数字が見られるようになった。今までは割と安穏としていたが、今後は身を切る寒さに苛まれながら猫を探すことになる。八王子アメダスの観測史上最低気温は氷点下8.8℃で、俺が猫散歩した中では氷点下8.0℃が現時点の最低記録となっている。もっと下がっても猫に会うことはできるだろうが、そうなると俺の身が持たなくなるのと、ほかにもカメラのバッテリーがすぐに切れるなど様々な心配事が生じるので、東京を散歩する分にはこのぐらいにしておいてもらえるとありがたい。ちなみに今日の東京の日の出時刻は6:41で、年明けの1月上旬にかけて6:51にまで遅くなる。最近は散歩をサボりがちではあるが、あと10分となるとよくここまで持ったなあと感慨深い。
 今日紹介するのは先日の日曜日(11日)、東武伊勢崎線の牛田~鐘ヶ淵を散歩して出会った猫たち。この両駅は直線距離で1.4kmほどしか離れていないが、例によってあっちふらふらこっちふらふらした結果7.9kmを2時間50分かけて歩くことになった。どちらの駅も利用するのは初めてで、名前こそどこかで聞いた記憶はあるものの、どの路線のどの辺りというレベルになるとまったく見当がつかない。あとで考えたら間に堀切という駅があって、そこはかつて3年B組金八先生という国民的テレビドラマのロケ地だったことから、「ああ、ここか」と思い出す程度のものだった。
 この日の散歩の目的は東京都全自治体制覇の一環として墨田区の猫に会うこと。しかし朝のうちはあまり天気が良くなく、初めてのコースで土地勘もないことから、散歩の前半は去る10月9日、荒川区、足立区、葛飾区をやっつけた時に見かけた緑地の猫たちを頼った。
足立区の猫

 広い敷地の奥にぽつねんと佇むキジトラ。やっぱりいたね。
足立区の猫

 先々月は見なかった子。ここには多くの猫が生息しているらしく、落ち葉を踏む微かな足音や小さな鳴き声があちこちから漏れ聞こえてくる。
足立区の猫

 植え込みの陰にも黒白が1匹。
足立区の猫

足立区の猫

 こちらは先々月にも会った子。2ヶ月でだいぶ冬毛に変わったなあ。
足立区の猫

 指の匂いで挨拶に成功。ほかの猫たちにもよろしく伝えておいてね。
足立区の猫

 屋根の上で日差しを待っているのもいた。
足立区の猫

足立区の猫

 拒絶感が半端ない顔つき。分かったよ、もう行くよ……。
足立区の猫

 とある民家の玄関先にキジトラが張り付いていた。
足立区の猫

 お花とキジトラの組み合わせ。朝ご飯を待っているのかな。
足立区の猫

 ちょこなんとした佇まい。人懐っこいように思えて手を出したら逃げてしまった。
足立区の猫

 金八先生のロケ地だった荒川土手を過ぎ、墨田区に入って初めて発見したのは高みのキジトラ。記念すべき墨田区クリアの一匹だけど、あれはちょっと遠すぎるかな……。
墨田区の猫

 「おーい」と呼んでみるがこれといって動きなし。
墨田区の猫

 目を閉じて弱い日差しを浴びている。わざわざ下りてはこないか。
墨田区の猫

 ちなみに3年B組金八先生がテレビで放映されたのは1979年10月からで、そのころ俺は中学1年生。当時は全国的に学校(とりわけ中学校)が荒れていて、俺の学校もご多分に洩れず校内の設備が破壊されたり、飲酒喫煙シンナーが常態化するなど生徒の非社会的・反社会的行動がエスカレートしていた。ただ暴力行為の矛先は主として一部教員の理不尽な指導に対してであり、生徒同士のいじめは皆無だったので、俺自身は嫌な思いをした記憶がほとんどない。敢えて言うなら試験のレベルが低かったため無勉でも上位に付けることがたやすく、自分の実力を過大評価しがちで、のちに没落する一因ともなった。
 ……というようなことを思い出しながら次の猫。保護色に紛れて分かりにくいかな?
墨田区の猫

墨田区の猫

 向こうは最初から気づいていたみたいね。
墨田区の猫

 しかし、敢えなく逃走。目張りの濃い茶トラ然とした茶トラ。
墨田区の猫

 次の猫は暗がりの茶トラ白。すでに警戒されてしまって動かない。
墨田区の猫

 せっかく青空が覗いてきたんだから、日なたに出てくればいいのに。
墨田区の猫

「もちろん出るさ。君が行ったらね」
墨田区の猫

 最後にせめて1匹、日なたの猫やーいと探し回ること45分。とある空き地の隅で灰白が日差しに目を細めていた。
墨田区の猫

墨田区の猫

墨田区の猫

 正面に回ってみるとこの反応。そんなに俺がイヤですか。
墨田区の猫

 横からもう1枚撮って時刻は10:15。このあと鐘ヶ淵商店街の純喫茶でモーニングをしばいて家に帰った。この日の散歩で墨田区はクリアとなり、23区のうち残っているのは品川区、目黒区、板橋区となった。都心を跨いで遠い城東地区まで行かずに済むようになったのは良かったが、そこで暮らす猫たちに会う機会がなくなることを考えると少し淋しい。18歳で上京してからというもの、今回まで一度も赴くことのなかったあちらの界隈に今後訪れる機会はあるだろうか。
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