ここのところ寒の戻りで気温の低い日が続き、今日も日中は15℃程度までしか上がらず、午後からは雨も降り出した。部屋の中はすでに夏仕様になっているので、肌寒い時に猫の暖まる場所がなく、膝の上のサチコが震えていることに気づいて、慌てて暖房のスイッチを入れた。居間が暖まるまではお昼寝中の俺の布団に潜り込み、夕方になって台所で夕食の仕度を始めると、猫マカロンに移動して寝息を立て始めた。冬の間は炬燵で寝てばかりいたサチコだったが、春になってからは活発さが戻り、一緒に遊んでいると大きな声で鳴くし、こまめに毛繕いもするようになっていた。寒さは猫の老いを加速させるのだなあと改めて思う。
今日は夕食を作る以外にこれといって家事もなかったので、朝のうちから散歩に出かけてお昼前に帰ってきた。歩いたコースは二つあって、一つは東武東上線の和光市〜朝霞と、もう一つが武蔵野線の新小平〜西武拝島線の小川。これは2015年5月から10ヶ月間、拝島から和光市へ通勤していた時の経路で、会社からは立川〜西国分寺〜北朝霞(朝霞台)を経由するよう指定されていたところ、混雑が激しく遅延の多い中央線がどうしてもイヤで、小川から新小平まで1.5km歩いて乗り換えるという経路を選んでいた。下車駅も和光市ではなく一つ隣の朝霞にして、職場まで3km弱の道のりを歩いていた。もちろんこれらは猫に会うためでもあり、二つとも短い距離ではあったが、ずいぶんたくさんの猫と出会ったものだった。果たして彼らは今も元気にしているのだろうか。
今日の散歩は当時の通勤路の再現で、まずは6時半すぎに和光市をスタート。お昼前から雨との予報だったが空は意外に明るく、見覚えのある上り坂に差しかかると、時空を超えてきたかのような佇まいで猫が座っていた。
まあこの辺りに人懐っこいのはいなかったよな。数はたくさんいたけど。
見た感じまだ若そう。この道を通っていたのは6〜7年前だから、君はまだ生まれていなかったかも知れないね。
「昔はここでよく見かけたなあ」と思い出して、行き止まりの細い路地を覗くと、朝ご飯待ちと思しき猫が集まっていた。
砂利の地面をじゃりじゃりと音を立てて接近。猫たちはあたふたしている。
そこへ現れたのは6年3ヶ月ぶりの三毛。両眼とも白内障のようだが、ぼんやりとは見えているらしく、昔から普通にこの辺を出歩いていた。元気にしていたようで何より。
そしてここまでの猫は姐さん以外みんなキジ系。どれがどれだかまったく思い出せない。
この辺はキジ白が多いな。昔はもっと色んな毛色がいたんだけどな。
慌てて降りなくても大丈夫だよ。俺はスクーターの持ち主じゃないから。
お母さんも一緒。ちょっとだけお嬢さんの写真を撮らせてくださいな。
あとで調べたところ、こいつには和光赴任中にも何度か会っていた(例えば2015年8月)。立派な父親になっていて感慨もひとしおだぜ……。
子猫は数匹いたようだが、見えるところに出てきたのはこの子が最後。
子猫の路地をあとにしてさらに先へ進もうとするが、次々に猫が出てくるのでそのたびに足止めを食う。
この時点で散歩スタートからちょうど1時間。朝霞まで4.6km歩いたうちの2kmほどしか進んでおらず、もたもたしているうちに雨が降ってくるかも知れない。きれいな鉢割れ黒白にバイバイと挨拶して、先を急いだのだった。この続きはまた今度(こちら)。