この二連休は結局ヘタレてどこへも出かけずに引きこもったままで終わったが、最近は我が家の2匹(特にサチコ)と一緒に過ごしたいという気持ちが強く、結果的にはその通りにできたのでむしろ良かった。出かけるとしたら三浦だったが、もし行ったとしても前線通過の不安定な天気では落ち着いて散歩できなかった。今日も昨日に続き、台湾猫旅2日目を紹介していく(天気次第では明日も)。
小金門・大金門の猫散歩を終えて再び機上の人となったのは3月20日13時。台北松山→金門の往路は華信航空だったが、金門→高雄の復路は時間の都合により立榮航空を利用することになり、片道購入のため2,279元(この時のレートで約9,900円)とわずか50分のフライトにしては割高になってしまった。しかし今回の猫旅は3年4ヶ月もお預けを食ったあとなので、完全にたがが外れており、飛行機が苦手な癖に帰国まであと3回もフライトが残っている。
がら空きの立榮航空8918便は定刻の14:00に高雄国際空港へ到着した。このあとの散歩コースは旅程を練り始めた当初から迷いに迷い、最初の候補地は屏東線沿線の佳冬郷、最終的には高雄市内の左營大路に沿う蜘蛛の巣のような細い路地を散歩することにしていた。しかし飛行機の機内で再び気が変わり、空港からタクシーに乗って向かった先は旗津島の中洲輪渡站(渡船乗り場)。前回の台湾猫旅で歩いた鼓山輪渡站〜中洲輪渡站を逆向きに辿ることにしたのだった。これは実績のあるコースでたくさんの猫に会いたいということもあるが、それと同時にその時懐いてくれた猫たち(一例)に再会したい気持ちが強かったからだ。台湾の外猫は日本よりも遥かに厳しい環境で暮らしており、この3年半、彼らの消息が気になってやきもきしていたのである。
前回はゴール地点だった中洲輪渡站をスタートしたのは14:25。店という店の軒先にカラスミが並べられていた場所だが、今回はオフシーズンなのか影も形もなく、肩透かしを食った気持ちのまま1匹目を発見。むしろカラスミを天日干ししている時に猫が大騒ぎしそうなものだが、その時は猫の子一匹見かけなかったから不思議だ。魚卵には興味がないのかしら。
でかい2匹の猫はコンビらしく、尻尾と前足でしっかり触れ合っている。カラスミに悪戯しないんだったら、ネズミ要員としては優秀なんじゃん。
店の主人がちゃきちゃきの台湾語で話しかけてくるが、台湾語と台湾華語(≒中国語)は互換性ゼロなので何を言っているかさっぱり分からない。猫はもっとたくさんいそうだけど、行動が不審なのであまり深追いしないでおく。
金門から高雄に移動して真っ先に感じたのは「暑い!」ということ。この日の金門の最高気温は20.8℃で日差しも乏しかったが、一方の高雄は快晴で29.3℃と容赦ない。経緯線の描かれていないGoogleマップでは分かりにくいが、金門と緯度が同じなのは苗栗県あたりで、高雄とはずいぶん離れているのだった。日が差していることもあって、大方の猫は日陰に逃れている。
猫を探す俺もなるべく日陰を選んで歩いているが、すでに汗だくでシャツから何からずぶ濡れになっている。やっぱり台湾南部は3月でもキツいわー。
南国の猫によく見られるスリムな体躯と逆三角形の顔貌。台湾の猫は美人さんが多いね。
逆サイドから回ってみると、サビの手前にもう1匹。放熱モードでお昼寝していた。
カラスミ街道を抜けると一転して工業地帯へと入っていく。台湾随一の工業都市である高雄は海港も巨大で、コンテナ貨物の年間取扱量990万TEUは世界ランキング17位を誇る(日本最大の東京港は433万TEUで世界46位)。高雄港の対岸にあたる旗津島沿岸には大小の造船所が建ち並び、関東でいえば川崎や鶴見のような雰囲気が漂っている。日本と違うのは、工業地帯の中にもかなりの数の民家が存在することで、猫たちはその隙間を縫うようにして暮らしている。
最初に目が合ってしまったので警戒して出てこない。これは厳しいかも分からんな。
死角に隠れて待つこと10分。写真週刊誌の記者よろしく、物陰に落ち着いたところをすかさず撮ってその場をあとにした。旗津島散歩は次回も続く。