台湾田舎巡り(6)


枋寮郷の猫

 今日は寒冷前線通過の影響で強風が吹き荒れ、八王子アメダスでは20.3m/sという最大瞬間風速を記録した。こんな日に猫なんか見つけられないと思って散歩はお休みしたが、考えてみたら台湾猫旅で行った蘭嶼なんか22.0m/sだったし、何なら俺が自転車を漕いでいた海沿いの道は30m/s以上吹いていたはずだ。人里離れた場所だったので猫は見かけなかったが、豚と山羊はたくさんいて強風にも平然としていた。
 蘭嶼の顛末は時期が来たら詳しく書くとして、その2日前となる3月20日午後、俺は台湾第二の大都市である高雄・旗津島を縦断すべく、30℃近い気温の中、赤茶けた工業地帯をとぼとぼと歩き続けていた。当初の計画では屏東県の佳冬郷(要するに田舎)を散歩するつもりだったところ、そこで見学したかった閩南式建築は散歩地に金門を追加したことで希望が満たされることになり、直前になって左營そして旗津島へと変更した。一度歩いたことのある旗津島だが記憶していたよりも距離が長く、歩いても歩いてもゴール地点の旗津輪渡站にたどり着けない。寄り道せずにまっすぐ向かえば6kmほどなので1時間半もあれば着くはずだが、例によってあっちふらふらこっちふらふらしているし、朝からほとんど何も食べずに動き回っているので、そもそも暑さと空腹でふらふらなのである。当面の目標は猫に会うことと、新左營駅にたどり着いたら台鐵便當(という名の駅弁)を買うことだったが、後者はまだ当分先になりそうだった。
 前回の記事に引き続き、猫の方はぼちぼち。敷地の奥で伸びているのが見えるかな。
高雄市の猫

 ほらいた。
高雄市の猫

高雄市の猫

 寝ぼけているうちにアップをと思ったけど、それより早く椅子の下に隠れてしまった。
高雄市の猫

 毛並みがだいぶ汚れている。工業地帯だとこうなっちゃうか。
高雄市の猫

「空気が悪くて、毛繕いしても追っつかないのよ」
高雄市の猫

 旗津島は幅300mほどの細長い島で、縦断するにも経路の選択肢が少なく、交通量の少ない路地を見つけると心底ほっとする。猫もこうした静かな場所で涼んでいるのが多いようだ。
高雄市の猫

高雄市の猫

 小柄な若いキジトラはとっとと逃げてしまい、お母さんと思しき大きなキジトラが近寄ってきた。心配させちゃってごめんね、ちょっとだけモデルをお願いしたくて。
高雄市の猫

 君がモデルになってくれるの?
高雄市の猫

「怪しいヤツめ、お母さんに馴れ馴れしくするな」
高雄市の猫

 あまり観光客が通らないような路地を選んで歩いているので、こちらを訝しむ猫たちの視線が厳しい。
高雄市の猫

 人間には積極的に挨拶しているけど、猫にはこちらの親近感がなかなか伝わらないなあ。
高雄市の猫

高雄市の猫

 曲がりくねった路地で西日に当たる猫発見。今回の旗津島はちょっと猫影が薄くて残念かも。
高雄市の猫

 猫もあの体たらくだからな……。
高雄市の猫

「あっ」
高雄市の猫

 だらけているようで逃げ足は速い。若そうな2匹は兄妹かな。
高雄市の猫

 「田舎巡り」というタイトルとは裏腹に大都会を2時間半も歩いてしまった。8.4kmという距離はそう長くはないが、行って戻るコースではないためどこかにリュックを預けるということができず、気温も高かったので体力的にはかなり消耗した。できればもっとのんびりした街を歩きたかったが、日の高いうちとなると高雄市内で済ませるのが合理的選択だった。最後に可愛らしい2匹に会えたのは嬉しかったが、車の下からは二度と出てこなかった……。
高雄市の猫

 旗津輪渡站に到着したのは日の傾いた16:50。出航間際の渡船に飛び乗って対岸の鼓山輪渡站に渡り、覚えのある猫拠点をいくつか覗いてみたものの空振りで、高雄捷運の西子灣から美麗島を経由して新左營にたどり着いたのは18:00ちょうど。どこを探しても台鐵便當の販売所は見当たらず、空っぽのお腹のまま列車に乗る羽目になったのは悲しかったが、これから向かう枋寮を楽しみに思う気持ちの方が強かった。枋寮はかつての日本最南端駅であり、過去に二度の猫散歩をした思い出の地でもあり、駅前通りには美味しい炒飯屋があるはずだった。
 323次普悠瑪号は定刻の19:26に枋寮到着。帳の下りた駅前通りで深呼吸すると、生暖かい南国の空気に八角の匂いが混じっている。駅を背にして歩き始めるとすぐに猫がいた。
枋寮郷の猫

枋寮郷の猫

 地上変圧器は猫の寝床。すやすやと眠っている。
枋寮郷の猫

「ん?」
枋寮郷の猫

 こんな時間になっても寝ているなんて、君は猫界じゃ相当な寝坊助だね。
枋寮郷の猫

 哼哼(くんくん)。
枋寮郷の猫

 初っ端から人懐っこい子。これはいい夜になりそうだなあ。
枋寮郷の猫

 振り向けば枋寮駅。この日俺は宿を予約しておらず、ここから徒歩5分ほどの旅社へ飛び込みで泊まろうとしている。果たして無事にベッドにありつけたのか、その前にちゃんと腹ごしらえできたのか、続きはまた後日ということで。
枋寮郷の猫


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