元旦の今日までがまとまった出勤日で、明日は明けで帰宅し、その後は4日間の連休となる。こういう日に出勤するのも慣れてしまえばどうということはなく、むしろ平日に休める今の暮らしが気に入っているが、元旦からネクタイを締めることには未だに抵抗がある。客に会うような仕事でもなし、こんな日ぐらい私服でもいいと思うんだが、うちの会社は服装にはうるさくて、ビジネスカジュアルすら認めてくれない。今日もいい天気で昨日のように暑くもなく、散歩するには快適な日だったが、元旦にスーツ姿のおっさんが猫の写真を撮る不審さを思うと、散歩地の選定には慎重にならざるを得ない。
で、向かった先は拝島。キジ白3号に会いたかったのもあるし、長く住んだ街なので、温度感というか、雰囲気が分かっているのでやりやすい。正午すぎの南武線快速に乗り、拝島に到着したのはその40分後。1ヵ月半ぶりのキジ白3号は元気そうにしていて、こちらに気づくと、にゃあにゃあ鳴きながらついてきた。
次に立ち寄ったキジ白4号邸には猫影がなかった。冬の日差しが細い路地を照らす時間は限られていて、それを逃すと、猫たちは暖かな場所を求めてどこかへ行ってしまう。これは意外に厳しいかも知れないと思いながら歩いていると、路地の奥でまったりしているのが見えてきた。
逃げずにいてくれたけど、とても面倒くさそう。ちなみに顔見知り。
順光側からだとこんな感じ。長毛三毛婆さんは4月を最後に見ていない。
この黒は婆さんの知り合いだと思うが、消息を尋ねてみても、きょとんとした表情でこちらを見返すばかりだった。
そしてこれが今日最後の猫グループ。茶トラ白の住む町工場にも足を延ばしたが、いつの間にか廃業していたらしく、猫も猫好きの婆さんもいなくなっていた。
猫は液体だという人もいるし、パズルだという人もいるし、君たちはいったい何なの。
新年を迎えるにあたって抱負といったことは特になく、猫を含む家族全員が穏やかに暮すことのほかには何も望んでいない。若いころは節目ごとに様々なことを思い描いていたが、自分はそれほど器用でも優秀でもなく、大切なものをひとつだけ選んでそれに注力しないと、結局どれも中途半端に終わることが分かってきた。反省するとすれば、それに気づくのが遅すぎたということだ。