仮の母


府中市の猫

 2011年3月11日の14:46は立川錦町のオフィスでトイレに入っていた。大きな揺れに驚いて外に飛び出たが、恐怖を感じたのは揺れの大きさよりもその長さだった。あまりにも長く揺れ続けるので、地球がどうにかなっちゃったのかと思うほどだった。本震が落ち着いたあとも大きな余震が間断なく続き、何度も自席と外を行ったり来たりしなければならなかった。
 自席に戻ろうとしたのはパソコンに用があったからだ。当時俺は拝島の一軒家で一人暮らしをしていて、出先からサチコとマコちゃんの様子を見るため、自宅のリビングにIPカメラを設置していた。自席のパソコンから接続してみると、ベッドの上で香箱を組んでいた2匹は、揺れるたびに左右を見回すなどしていたが、比較的落ち着いているようだった。
 16時ごろ帰宅指示が出され、9km離れた自宅まで歩いて帰り着いたのは19時すぎだったと思う。2匹とも少し怯えていたが、体を撫でてやると「にゃあん」と甘えた声で鳴いた。君たちは千年に一度クラスの巨大地震を経験した猫になったのだなあと、呑気なことを考えていたが、それもテレビをつけるまでだった。それから何ヶ月にも渡って繰り返し流された津波の映像は、俺を含む多くの人々の心をえぐり続けた。
 今日の散歩はその拝島から。自転車で家を出てすぐ、近所の路地で長毛三毛が草を食べていた。
府中市の猫

府中市の猫

 これは武蔵の母上殿(仮)。もうすっかり春ですな。
府中市の猫

 ごっ。
府中市の猫

 散歩開始は12時半。最初に見かけたのは駅近くに住む鼻黒の黒白だった。1年2ヶ月ぶりだけど元気そうで何より。
昭島市の猫

 考えてみたら、あいつに初めて会ったのは2011年8月で、当時4~5ヶ月くらいの子猫だったから、ちょうど震災のころに生まれたんだな。
昭島市の猫

 民家の玄関先でお昼寝していたキジ白3号。シャッター音で目が覚めたところ。
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 いつものように飛び出てきた。
昭島市の猫

昭島市の猫

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 こいつは少なくとも13歳くらいにはなっているはずだが、上下の犬歯が全部ないとは知らなかった。
昭島市の猫

 君はずっと外暮らしなのに若く見えるね。
昭島市の猫

「いやー、それほどでも」
昭島市の猫

 日差しは強いが気温は19℃ほどで、猫が日陰に入る閾値ぎりぎり。なのでああいう微妙な場所に座っている。
昭島市の猫

昭島市の猫

 背中が日に当たっているね。完全に日陰だと少し寒いか。
昭島市の猫

 そんな俺たちの様子を遠巻きに眺める猫もいた。
昭島市の猫

 あのぱっつん頭、一昨年の夏に見かけた子猫だと思うんだが、鼻黒だったのが赤鼻になっている。本当に同一人物なのか今いち自信ない……。
昭島市の猫

「あなた去年も会ってるでしょうに」
昭島市の猫

 最終的に今日の気温は20.5℃まで上がった。地面で伸びる黒を見かけたのはまさにそのころ。
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 前足が逃走態勢に入っているので接近はここまで。
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 黒と似たような風体のがもう1匹。あれは顔見知りのセミロング茶トラ白。
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 湿っぽい目でこちらを見つめている。相方の短毛茶トラ白は見当たらなかった。
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