視界に小さな糸くずのようなものが見える、いわゆる飛蚊症の軽いやつは高校生くらいの時からあって、たまに思い出す程度で気になるほどではなかったんだが、2~3日前から急に糸くずが増えて、まるでワカメの漂う海中を泳いでいるみたいな見え方になった。右目だけの現象なので生活そのものへの影響は小さいが、そもそも視力が低い上に、カメラのファインダーを覗くとワカメが邪魔して、日々の猫関係業務に差し支える。急激に症状が変化した場合は網膜剥離や網膜裂孔の可能性もあるそうなので、猫散歩の前に近所の眼科に駆け込んで診てもらった。その場で眼底検査を受けた結果、加齢による後部硝子体剥離で、病的な飛蚊症ではないので治療の必要はなく、もし気になる変化があったらまた来てねとのことだった。
このまま放っておけばワカメは消えるのか、ドクターに聞きそびれたので分からないが、ネットで調べたところでは「いずれ慣れる」とされ、根本的に治す方法はないらしい。網膜剥離や網膜裂孔が起きるよりはマシなのだろうが、死ぬまでこのままだとちょっと辛い。
今日の猫は我が家の2匹から。昨日の朝に猫草を解禁して以来、暇さえあればむしゃむしゃやっている。
マコちゃんは寝起きなので動かないが、サチコはカリカリには見向きもせずに、葉っぱばかり食べている。もちろん一通り食べたあとは、胃袋の中身を盛大にぶちまけてくれる。
家を出てすぐ、近所を散策中の黒煙ちゃんに行き会った。自宅前から離れているのは割と珍しいかも(たった30mだけど)。
暇だったらうちの庭にも来てみてよ。オッサンが2匹とぐろ巻いてるから。
眼科の診察が終わったのは12時半すぎだったが、今は夜勤の始業時刻が17時に変わっているので、それでも時間には余裕がある。北から雨雲が迫っていたため南武線で南下して、スタート地点の稲田堤に着いたのは13時ちょうど。1匹目は瓢簞横丁で見かけた黒だった。
ランチ後の毛繕い中だったが、カメラを向けたら「にゃあ」と一声鳴いてお澄ましした。
眼底検査で散瞳薬を点眼したため右目の瞳孔が広がったままで、眩しい上に焦点が合わず、猫探しはかなり難航した。フェンスの上のキジトラも背景が暗くて最初はまったく気づかなかった。
ピントはカメラ任せ。クイックシフト・フォーカス対応のレンズじゃないし。
この佇まいはよく覚えている。3年前の秋、同じ場所でサバ白と一緒にいるところを見かけたのだった。あの時はまだあどけなかったのに、ずいぶん立派になったねえ。
雨雲が追いついてきたせいか、徐々に周囲が暗くなってきた。このままでは雨に当たると思い、先を急いでいると、行く手の車の下から猫が顔を出していた。
こちらの出方を窺う茶トラ。手ぶら野郎の噂はこんなところまで届いていたか。
逃げずにいるのは「念のため」。もしかしたら何かの間違いで、美味しいものを持っているかも知れないからね。
稲田堤からかっきり1時間で定点の駐車場にたどり着いた。時間的にはまだまだ余裕があったが、あいにく雨に追いつかれてしまい、これ以上歩き続けるのは難しい。最後に白を撮って、今日の散歩はお開きにすることにした。
始業時刻まで3時間もあるというのに、多くの飲食店が自粛モードに入っていて、カフェでお茶することすらできず、時間を潰すのにかなり苦労した。ウイルス禍はいずれ収束するにしても、このままでは多くの商店が潰れて、街に何も残らないかも知れない。再びどこかへ旅に出られる日を楽しみにしているが、果たしてそれまで地方私鉄やバスタクシーが生き残っていられるのか。現時点で日本のコロナの死者は世界的に見て少ないと言われているが、それよりも経済的理由で首を縊る人の方が多いのではないかと危惧している。