雲翳の墓参


昭島市の猫

 茶トラ係長が死んでから四度目の冬が来た。
 今日は晴れるとの予報に反して朝から霧雨が降り続き、お昼前に家を出た時も傘なしでは歩けないくらいだった。風は北向きで気温も上がらず、最低で2.9℃、最高でも7.7℃止まり。ただ、この季節の関東は基本的に晴れることが多く、朝は放射冷却が強まるので、最低気温はもっと下がるのが普通だ。調べてみると係長の死んだ翌朝は氷点下0.6℃を記録しており、この寒さでは一溜まりもなかっただろうなと改めて思った。持病もあっただろうが、係長の直接の死因は低体温症ではなかったかと個人的に考えている。最晩年は関節炎のため動くこともままならず、食も進まなかった係長は、寒い日に訪ねるといつもぶるぶる震えていた。気にかけていた猫だったので、死んだことを知った時は悲しかったが、その一方でむしろ良かったという気持ちもあった。もうこれ以上凍える思いをせずに済むからだ。寒さと空腹がどれほど辛いか、俺も少しは知っている。
 今はもう誰もいない某巨大公園の猫拠点を訪ね、係長の墓標に花を手向けてからの散歩開始となり、天気が悪かったこともあって見かけた猫は少数。最初はエビ子の家を覗いてみた。
昭島市の猫

 お腹が空くと玄関に張り付くエビ子さん。お昼ご飯を待っているのかな。
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 こちらに気づくなり、駆け寄ってきてごろーん。
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 人懐っこすぎて足元から離れないので、写真撮影は困難を極める。
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 ちょうどそこへピザ屋の配達が現れた。警戒して動きを止めたエビ子をようやく撮影して、20分間の格闘を終えたのだった。
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 トラ子ストリートでは長毛のキジ白を見かけた。
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 赤毛のキジ色はこの辺りのキジトラ系の特徴。こんな感じで美人さんの妹にも会いたいところだが、もう1年3ヶ月も見ていない。
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 とあるマンションの荒れた裏庭に黒白が潜んでいた。
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 警戒心が強く、近寄った分だけ引っ込んでしまう。
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 これが最後の写真となって、茂みの向こうへ消えていった。
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 昔規格の細い路地を歩いていると、行く手に黒白が現れた。
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 いつも湿っぽい目でこちらを見つめる子。俺のこと好きなら胸に飛び込んでもらっていいんですよ。
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 係長の相方だったスーダラ1号は小平市内の動物病院に入院中で、インスリン投与により元気な状態を保っているそうだが、やはり某巨大公園に戻ることは難しいようだ。面倒を見ている人が写真を送ってくれたので明日載せる。
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