「頑張りすぎないように気をつけなければ」と書いたばかりなのに、その舌の根も乾かぬうちに、今日の散歩地に選んだのは桜ヶ丘。明日から二連休なので多少無理しても大丈夫だろうと思ってのことだが、昨日の出勤前と合わせると歩いた距離は14kmにもなり、いくら俺が口八丁のスーダラ社員とはいえ、17時間勤務を終えての登坂散歩は疲労困憊で死ぬかと思った。
それでも今日死なずに済んだのは、ようやくこの聖地で何匹かの猫に会えて、気を確かに持てたからだ。「耳をすませば」にはムーンという名の猫が登場するが、実際にこの地で猫に遭遇しようとすると大変で、数次にわたるチャレンジの末、先月10日の散歩でようやく1匹だけ発見できた。ただしこの1匹は民家の敷地の奥で固まったまま、いくら呼んでも出てきてもらえず、撮った写真も微妙だったので、また会えたらと思って再チャレンジの機会を窺っていた。さすがにその時の猫は見当たらなかったが、散歩開始からほどなく、建ち並ぶ邸宅のどこかから猫が出てきて立ち止まった。
高級住宅街というと渋谷の松濤で猫を見かけたことはあるが(こちら)、こうした街で暮らす猫がどんな反応をするのか、今いち予想がつかない。どうアプローチしましょうか。
庭の奥へ逃走したサビを見送っていると、入れ替わりで白が現れた。こちらは半分上がった尻尾に若干の可能性を感じる。
玉石練積の重厚な擁壁が視界を遮って、水平方向に歩いているとあまり斜面の存在を感じないが、実際はこのように急峻な傾斜地で、これを越えないと目的地の聖蹟桜ヶ丘にはたどり着けない。まずは桜ヶ丘ロータリーまで行こうと思い、覚悟を決めて階段に向かっていると、庭木の陰から猫が現れた。
会えて嬉しい3匹目は丸々とした黒。でもこの辺の家は敷地が広いし、いつもこんな風には見つけられないだろうなあ。
桜ヶ丘で見かけた猫は以上。歩いて回るにはキツい街なので、次いつ来るかは分からない。
聖蹟桜ヶ丘から新宿行きの特急に乗り、分倍河原に到着したのは13時。3匹では少し淋しいと思い、家路につく前にとある猫拠点に立ち寄ると、塀の上にお尻が見えていた。
にこやかに近寄ってみたものの表情変わらず。帰宅してから調べたら、2015年6月以降、ここで何度か見かけている美人キジトラだった。最近では今年8月にも会っているが、もともと上目遣いの子だったみたい。
階段を駆け下りた茶トラ白は、アパートの隅まで逃げて止まった。手前にお花が咲いていたので、一緒に撮ってその場をあとにした。