予報通り今日は朝から霧雨が降ったり止んだりしていた。アメダスでは検出されない、時間降水量0.5mmにも満たないわずかな雨だが、それでも猫を探して歩き始めると、すぐに髪や服がしっとりと濡れてくる。分倍河原から6.2kmの道のりを、傘を買うべきか買わざるべきか、最後まで悩みながら歩いていたが、ゴール地点の多磨霊園に着いた途端、本降りの雨となって駅に駆け込んだ。
アメダスが0.5mm未満の雨を検出しないのは、降水量を転倒式の枡で計測しているからだ。枡の容積は時間降水量0.5mmに相当する15.708mlで、これが満タンになると、ししおどしのように倒れて中の水を排出する。1時間に1回倒れれば0.5mmの雨、2回倒れれば1.0mmの雨が降ったことになる。つまり、0.5mm未満の雨では1時間に一度も枡が倒れないので、原理的に検出できないわけである。ちなみに我が国における最大の時間降水量は、1982年に長崎県で記録された153mmだそうで、1時間に300回以上も枡が倒れるのだからせわしない。
今朝の散歩で苦労したのは雨よりも暗さだった。猫には思いのほか出会えて嬉しかったが、木立の中や建物の隙間など、なぜか暗いところにいてくれるので、どう頑張っても手ブレしてしまう。いつも高倍率ズームレンズに頼っているので、暗所で撮影に行き詰るのは宿命のようなものだが、せっかく会えたのだから、もう少しきれいに撮りたかった。
1匹目は縄張り巡回中の武蔵。時刻は6時ちょうど。
こいつはいつもきりっとした顔つきでカッコいいな。名前負けしてないよな。
カメラが苦手なので、真正面から捉えると、耳がイカになってしまう。
かつてモノクロ爺さんが暮らしていた参道脇からモノクロ猫が現れた。
真っ黒なので分かりにくいが、この子はここらでたまに見かけるモノクロ姐さん。2匹の爺さんたちの縄張りを引き継ぐように現れたのは、去年3月のことだった。
某有名巨大神社の広い境内に猫が現れた。向こうもこちらに気づいて足を止めている。
まだだいぶ離れているのに目がまん丸。これはダメかも分からんな。
俺を避けて暗い木立に身を潜めた。瞳の大きさはほとんど夜のレベル。
横丁から猫の鳴き声が聞こえてきて、見ると遠くの黒白がこちらを注視していた。まだだいぶ離れているのになぜそんなに逃げ腰なの。
塀の上の長毛に遭遇したのは7時半すぎだが、それでもまだ暗くてピントが甘い(黒だから余計に)。
小康状態を保っていた空が再び泣き出して、ずぶ濡れで駅に向けて走っていると、民家の敷地で涼しい顔の猫発見。
「軒下三寸借り受けまして」って雰囲気じゃないねえ。なんかこう、しっかりと根を下ろしている感じ。