二連休初日の今日は早朝から晴れて明るく、5時の目覚ましで無事に起きられたので、6時すぎに家を出て猫を探しにほっつき歩いてきた。緊急事態宣言中は都内で大人しく過ごすことにしているので、それを逸脱しない範囲で選んだ散歩コースは西調布から飛田給まで。約50日ぶりに京王線猫行脚を一つ進めたのだった。
ちなみに地方の人には馴染がないと思われる飛田給という駅の名は「とびたきゅう」と読む。北海道出身者の感覚からしても珍妙なこの駅名は、付近一帯の町名でもあり、その由来ははるか昔の荘園時代、飛田という名の領主から給わった田畑だったことによるそうだ(諸説あり)。調布市にはかつて同じ由来の上ケ給という町名も存在したほか、世田谷区には今も給田という町名が残っている。
普段の飛田給は各駅停車とごくわずかな快速しか止まらない、取るに足らないような駅だが、東京スタジアムまで徒歩10分という立地のため、サッカーの公式試合や大規模イベントなどの開催日は、特急以下の全列車が臨時停車する。領主から給わったはずの田畑は近年急速に宅地化が進み、乗降客数はこの20年で倍以上になっている。八方美人の京王電鉄のことだから、そのうち急行や準特急を停車させるか、あるいは列車種別をさらに増やすなどして対応するだろう。
1匹目は近所の武蔵から。まだ日の差さない路地でぽつねんと佇立していた。
西調布をスタートしたのは6:45。1匹目に遭遇するまでに35分を要したが、今日から新しいウォーキングシューズに変えたせいか、単調な住宅街もさほど苦にならなかった。
裏の空き地に逃走を図ったキジ白。「おいでー」などと手を差し出して、にこやかに懐柔を試みるも、まったく効果はなかった。
角を曲がってみると、左右反転した路地の隅で猫がちょこなんとしていた。
これはなかなかのゴージャスさん。でもそろそろ少し暑苦しいかな。
一方こちらはこざっぱりとした二毛。気温は17℃ほどなので、短毛なら日なたがちょうどいいくらいかも。
短毛二毛に続き、隣の路地には黒もいた。こちらは涼んでいるというより、暗い場所に潜んでいるという雰囲気。
その後、市境を行ったり来たりしているうち、行く手に猫の姿が見えてきた。新宿から京王線猫行脚を開始すること丸2年、ようやく自分の住む府中市内に到達した瞬間だった。
しかし、逃げ腰。抜け身の術でハーネスから脱出したら大ごとなので、これ以上の接近は断念した。
かつての畦道を連想させる複雑怪奇な路地をうろうろしていると、とある空き家の敷地で行き倒れ的に寝ている猫を発見した。
野良然としたキジ白。しゃがんで呼んだら姿勢を正してモデルになってくれた。
今日最後の猫に遭遇したのは8時半。予想以上の成果に満足して駅に向かっていると、畑の隅で黒いのが日に当たっていた。
思いのほか警戒心が強かったが、何とか呼び止めてもう1枚撮らせてもらった。
今日歩いた西調布〜飛田給の駅間距離は700mに過ぎず、まっすぐ向かえば10分足らずで着いてしまうところ、いつものように壮大に迂回して、8.3kmを2時間15分かけて歩いた結果、割とたくさんの猫に出会うことができた。偶然の出会いに頼る猫行脚なので、初めての土地でこれだけ会えれば御の字。朝の涼しい今のうちに、この調子でもう少し進めておきたい。