秋分の日だというのに今日の気温は何だ。秋になったつもりで丘陵地の平山→長沼→平山を散歩しようと思っていたのに、あまりの蒸し暑さに長沼でヘタレてしまったではないか。中秋の名月で風流を感じた翌々日に33℃じゃ雰囲気ぶち壊しだ。
日勤4日目の朝はこのように猫ヶ丘から散歩を開始し、長沼北壁にそびえる山岳住宅地を縦走したあと、長沼駅から浅川に沿って平山城址公園駅へ戻るコースを想定していたが、長沼に着いたころには日差しが強すぎて猫を見つけられる気がせず、散歩を中断して京王線の下り電車で職場へ向かった。少し疲れが溜まってきているので、明日の朝は散歩をお休みしようかな……。
1匹目はちょん突きの三毛。いつもの場所で日差しが届くのを待っていた。
こちらに気づくなり小走りに近寄ってくる。これでまったく懐いていないのが不思議。
こちらを警戒して踵を返した姿がカッコいい。猫のしなった背中が好き。
子猫と呼べるほど小さくはないが、恐らく今年生まれたであろう猫がもう1匹いた。
臆病すぎて一度は諦めかけたが、何とか気を引いて顔を出してもらった。相変わらずこの街は茶猫が多いな。
説得の甲斐なく子猫は引っ込んでしまい、その一部始終を道路向かいの黒が眺めていた。
こいつも道路向かいの家で面倒を見てもらっている猫。こんなに接近できたのは初めてかも。
日陰から巡回帰りの思しき猫が現れた。鳴きながら近寄ってくるということは、知り合いかな。
誰かと思ったら人懐っこい三毛ちゃん。出張っているところを初めて見たよ。
真顔に戻った三毛ちゃんの視線の先には鉢割れ茶トラ白。この2匹はそりが合わないみたい。
鉢割れ茶トラ白の背後にもう1匹の鉢割れ茶トラ白。猫ヶ丘は茶猫ヶ丘と言い換えてもいいくらいのレベルで茶系猫が多い。
イエネコにおいて茶色(red)を発現する遺伝子はかなり強力で、父か母のどちらかから優性のO遺伝子を1個もらえば、ほかの遺伝子がどうであれ毛色に必ず茶色が現れる(より強力な白猫のW遺伝子を持つ場合を除く)。
O遺伝子はX染色体上に格納されているため発現の仕方が性別に依存し、オスの場合は遺伝子型がOYの時に茶色、あるいはoYの時に茶色以外という二択となる。一方メスはOOで茶色、ooでは茶色以外だが、Ooの時だけは茶色に黒やキジ色が混じって二毛(白斑があれば三毛)になる。Ooというヘテロ接合型の存在しないオスは基本的に二毛にならないが、染色体異常でOoYとかOOoYといった遺伝子型になれば、オスでも二毛になる可能性はある。
俺の知る範囲でこうした毛色の偏りが観察できるのは、立川の茶猫タウンや平山の猫ヶ丘などだが、有名どころでは瀬戸内海の青島でも同様の現象を観察できる。猫の毛色が面白いのは、これだけ強力な茶色であっても野生型ではないという点で、茶色よりもさらに強力なはずの白の個体数が非常に少ないことと併せ、生き物の遺伝というのはつくづく不思議だなーと思う。ちなみにイエネコの毛色の野生型(祖先のリビアヤマネコから変異していない普遍的な毛色)はキジトラである。