10時すぎに夜勤を終えて外に出てみると、高い雲に遮られがちな日差しとともに冷たい風が吹いていた。猫を探しながら散歩するにはちょうどいい季節になったなあと感慨に耽ったが、今日選んだ散歩地はアップダウンが多く、5分も歩くと汗ばんで上着の存在を恨めしく思うようになった。帰宅してからアメダスを確認したところ、最高気温は18.1℃、風向きは北北西~北だったそうで、外を歩いた印象とデータが一致したのですっきりと腑に落ちた。
歩いたコースは多摩境~相模原の4.7km。この区間の散歩は何だかんだで6~7kmになることが多く、坂も多いことからそれほど頻繁には歩いていなかったが、ある程度猫影が見えてくると余計な回り道をすることがなくなるので、経路は直線的に変わってくるし距離も短くなる。これで京王線への乗り換えが面倒でなければなおいいのだが、今日のように片倉~京王片倉の乗り換え(約1.2km)で猫に会えたりもするので痛し痒しだ。
1匹目は職場からバス停へ向かう途中、団地アパートのエントランスで見かけたキジ白の妹。誰かと待ち合わせているかのように佇んでいた。
今日はにゃあにゃあ鳴いてとりわけ懐く。指の匂いで挨拶できた。
お姉ちゃんは不在だったが近所のキジ白が様子を見に来ていた。2017年9月にも見かけたことのある猫だが、それが初めてだったのかや、その後も会ったことがあるのかまでは思い出せない。
多摩境をスタートしたのは11時すぎ。丘陵地の緩い坂道を下りていると、民家の庭の奥の黒い影がこちらを見ていることに気づいた。
近寄っている間にもう1匹増えた。黒は8月末にもこの家で見かけた子だと思っていたけれど、よくよく見ると耳の切り欠きが逆だね。
敷地の外からではやや遠く、我慢できずにインターホンを押して撮影許可をもらうと、人懐っこい二毛が迎えてくれた。
トラ模様の麦わらではなく、渦巻き模様のクラシックタビー。猫はこのくらいが理想体型じゃないかな。
茶トラは薪の上に乗っかっていた子。応対してくれた奧さんの話を総合すると、現在この家では4匹の猫が暮らしているとのこと。
県境を越えて神奈川県に入ると、そこは河岸段丘の底となってしばらく平らな道が続く。猫はほどなくして現れた。
目やにが目尻を切れ長に見せている。あとで調べたら4月にも会っていた。
あしらわれ方が前回と同じ。オトコの扱いを分かってらっしゃる?
あやめ邸にたどり着いたのはスタートから1時間後。白んだ日差しを背中に受けて休んでいた。
片倉~京王片倉の乗り換え区間では2匹の猫に遭遇(うち1匹は逃走)。フェンスの向こうのキジトラは6月以来。
この土地にはかつてピンクのアパートが建っていて、茶渦君やその母など何匹かの猫たちが暮らしていた。その中でいちばんくたびれていたのがこのキジトラだったが、蓋を開けてみれば、今ここに残っているのはこいつだけ。初めて見かけたのは2014年11月のことだった。
三船敏郎には今日も会えずじまいだった。