黒煙ちゃんに会えなくなってから3ヶ月が経ち、先月死亡していたことを今日になって知った。家まで行って消息を尋ねれば教えてくれただろうが、他所様の家庭内の出来事でもあり、道で偶然行き会うまでは遠慮していた。
黒煙ちゃんは本名をみーちゃんといい、15年ほど前、黒煙邸の主人が隣町で拾ってきた。周囲にご飯をあげる家がなかったためか発育が悪く、見つけた時は紙のように痩せていて、当初は家に連れ帰っても長くは持たないだろうと思っていたそうだ。驚くことに妊娠しており、子猫は助からなかったものの、本人は小柄な体で15年も愛嬌を振り撒くことになった。俺が分倍河原に住むことを決め、新居の下見に訪れた2018年9月、隣の路地にとても人懐っこい猫がいて、新生活の楽しみを膨らませてくれたことは今でもよく覚えている。天真爛漫な黒煙ちゃんは目が合っただけで駆け寄ってくるようになり、数え切れないほどのごろーんやすりすりを見せてくれた。
別れは不意に訪れた。俺が最後に見かけたのは去年12月25日で、夜勤の帰りに路地を覗くと、いつものように熱心に武蔵邸を見張っていた。最期を迎えたのは黒煙邸の主人の膝の上だったそうだ。撫でられながら丸くなって眠るうち、いつの間にか息絶えていた。最も親しかったご近所さんがいなくなってしまい、今は悲しいとしか言いようがない。
しかし、数多の猫は今も生きている。このブログは悲嘆に暮れる気持ちをだらだらと綴るのではなく、外猫たちの生きる姿を記録するために作ったのであるから、散歩で見かけた猫たちをいつも通り淡々と紹介していく。
時間はワクチン接種前の昨日8時半に遡る。副都心から離れ、緩い上り坂をとぼとぼ行くと、広い敷地に茶トラ白が現れた。
茶トラ白の気を引いていたら、どこからかキジ白が乱入してきたでござる。この先、立ち入れないのが悔しいぜ。
白木蓮の香りに誘われて迷い込んだとある路地。よくよく見ると猫が日なたぼっこしているね。
ペルシャ顔の三毛は満足げ。昨日は雨が降って寒かったからなあ。
マンションに挟まれた道路の真ん中で猫が行き倒れ的に寝ていた。
寝るならもう少し活きのいい姿勢で頼むよ。本当に心臓に悪いんだから。
お澄まししてモデルになったくれたサバ渦。いわゆる一つのsilver classic tabbyというやつだね。
そこなキジトラさん、私は武蔵国から来た猫好きです。そんなに避けないでくださいな。
向きを変えつつ逡巡するキジトラ。写真は撮れたが指挨拶はできなかった。
正面に回ったら視線が逸れていた。俺には見えない何かを睨んでいたみたい。
この日は天気が不安定で、散歩している3時間半の間にも日差しが出たり翳ったり。猫たちは温もりを逃さないよう、万全の体制で臨んでいる(猫たちとあるように、この写真には複数の猫が写っている点に注意)。
こちらのサビは20歳だそう。薄目は開いているけど、とてもそうは見えない写真。
窓辺の猫がそんな一部始終を眺めていた。最初の写真で分かったかな?
その後、高田馬場のゴーゴーカレーでお腹を満たし、大手町の合同庁舎でワクチン接種を受けたのは昨日書いた通り。ファイザー、ファイザー、モデルナという組み合わせなので副反応を警戒していたが、接種後30時間が経過した18:00現在、これといって症状は出ていない。今日未明に弱い頭痛と吐き気を感じたが、薬を飲むほどではなく、朝起きたらほとんど消えていた。
最後に紹介するのは接種を終えて帰宅後のマコちゃん。
たくさん撫でられて満足したところ。背後の丸太は爪研ぎ用に置いたものだが、今のところ気が向いた時にすりすりする程度。
黒煙ちゃんはサチコと挨拶を交わしたことがあり(こちら)、小柄なサチコよりさらに小柄だった印象が強い。何度となく撫で回した彼女の被毛の感触は、俺の手のひらがいつまでも覚えている。