暦の上ではとっくに秋になって行楽シーズンを迎えていても、最高気温が30℃を超えるようではまだまだ実感が湧かない。真夏より気温は下がっていても湿度の高さはあまり変わらないし、日に当たれば短時間で体力を奪われて散歩も捗らない。秋というのは日差しを心地よく感じたり慈しんだりするような季節だったと記憶しているが、これは俺が北海道出身であるが故の思い違いなのだろうか。
とはいえ一般的なレジャー客にそうした細かいことを気にする人は少なく、奥多摩や高麗といった行楽地は混雑することが予想されるので、そういう場所を徹底的に避けている俺は敢えて新宿を散歩地に選んだ。最寄り駅の分倍河原から新宿までは特急で24分ということになっていて、いつもその通りに走ってくれるなら仕事前に散歩することもできなくはないが、平日ラッシュ時となるとそうは行かない。そもそもダイヤからして35分程度の所要時間になっているし、実際は電車が詰まってそれ以上かかるので怖くて乗れない。
散歩開始は6時すぎ。住宅が密集する都心の路地に日が差すのはまだだいぶ先のことで、暗がりの猫にカメラを向けてもピントが合わないのがとてもツライ。
単に暗い場所で撮るのと、日差しの届かない暗がりで撮るのとでは、オートフォーカスの精度がまるで違うのが不思議。なお猫は塀を伝って奥へ逃げた。
この辺りはキジ系の猫が多く、次に現れたのもやはりキジトラ。まあ出所の見当はついているんだけれども。
やっぱりピントが合わない(ブレているのは別として)。原因はそもそも使っているレンズが暗いからで、特にファインダーで撮影する位相差AFでずれが顕著になる。メインで使っているレンズはサードパーティー製で(SIGMA 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM)、リコーが動作を保証しているわけではないので、これが性能の限界だと思って我慢するほかない。高倍率ズームレンズを自社のラインナップに入れているカメラメーカーはごくわずかで、要するにこうした製品は一見便利そうでも、せっかく技術の粋を集めて開発したカメラの足枷にしかならないことを認識しているからだろう。ちなみにこのレンズの名誉のために言っておくと、ライブビューで撮影するコントラストAFはフォーカス精度が高く、ズバピンになった時の解像感は目を見張るものがある。高倍率ズームレンズの写真は眠いなどとよく言われるが、多くの場合、その原因はピントが合っていないからだ。
この子たちは顔見知り。右側の子は比較的フレンドリーでモデルにもなってくれるが、左側はかなり臆病で撮影自体が困難。カメラに収まったのも右側が去年9月以来なのに対して、左側は2019年9月まで遡る。口蓋裂が進行していることも気がつかなかった。
新宿に来ると何となく気になって家を覗いてしまう。元気にしていたようで良かった。
今日は割とたくさんの猫に会ったので、前半はここまでにして残りは明日載せる。西新宿で最後に見かけたのは馴染の三毛。
この子、こんなにでかかったっけ。先々月はもう少し細い印象だったけど。
体を起こしたらもっと大きくて、うちのサチコの3倍ぐらいありそうだった。
あと、今月に入ってから朝の散歩が中心になり、暗くてピントが合わないことが増えているので、リコー純正のレンズで改善するか試してみることにした(HD PENTAX-DA 55-300mm F4.5-6.3ED PLM WR RE)。広角撮影でレンズ交換が必須になるので操作性は悪くなるが、純正レンズでもピントが合わなければカメラの性能だし、そうなってくると次に買う候補からPENTAXは外れることになるので、これはいずれやらなければならない儀式だった。