六花谷で年の瀬の挨拶


八王子市の猫

 猫撮影でお世話になっている家はいくつもあって、中にはいつでも自由に入って撮って良いとまで言ってくれるところもある。近所の人が不審に思って通報というパターンもあり得るので、本当にそうさせてもらっている家はごく一部に限られるが、そうした厚意には絶対に報いるべきという考えなので、撮り溜めた写真からカレンダーを作るなどして礼状とともに贈ることにしている。今年は対象が5軒になったのでゆっくり写真を選定している暇がなく、1軒につき1点の写真を選んでA3判の1年カレンダーを作った。ネットで注文しておいたのが出来上がったというので、今日はそれを受け取るため多摩センターへ出かける必要が生じ、それならついでに六花谷の猫たちの許へ年の瀬の挨拶に行こうと思い立った。早朝まで雨音が聞こえていたが、カレンダーは今日中に受け取らないと年内に届けられなくなるので、天気がどうであっても行かなければならなかった。
 ところが6時半に起床してうだうだしているうちに雨は止み、次第に明るくなってきた。聖蹟桜ヶ丘でバスに乗るころには青空さえ見えて、最終的にはコントラストが高すぎて写真撮影に困難を感じるレベルにまで晴れ渡った。雨上がりの澄み切った空から降り注ぐ日差しが眩しすぎて、顔をしかめて歩いていると、袋小路の奥から猫と婆さんの話し声が聞こえてきた。
多摩市の猫

「あなたはうちの子じゃないんですからね」
「にゃあ」
「ご飯は自分の家で食べてちょうだい」
「にゃあ」
多摩市の猫

 しかしお皿は置かれたまま。優しい人で良かったね。
多摩市の猫

 木立の遊歩道で久しぶり猫を見かけた。あれはいつかの美人黒白かな。
八王子市の猫

 違った。
八王子市の猫

「ちょっと待って、その展開はおかしいな」
八王子市の猫

 納得が行かないのか、近寄っても逃げ切らずにこちらの様子を窺っている。
八王子市の猫

 馴染の黒白も珍しく見えるところで日に当たっていた。いつもは手前の駐車場にいることが多いが、今朝の日差しはよほど気持ちがいいらしい。
八王子市の猫

八王子市の猫

 痩せぎすの黒白だが冬毛で精一杯ふっくらしている。赤茶けていた毛色が漆黒に戻っているのは健康状態が改善したのか、それとも食餌に含まれるチロシンが増えたとかかな。
八王子市の猫

 池のほとりで舌を鳴らしたら三毛が出てきた。期待した人じゃなくてびっくりしているところ。
八王子市の猫

 ……そして逃げるか留まるか逡巡しているところ。は最近まったく見かけない。
八王子市の猫

 茂みに引っ込んだ三毛を諦めて公園内をぶらぶらしていると、背中を温める黒白に遭遇した。
八王子市の猫

 あらま、黒白ボスじゃないの。今日は年の瀬の挨拶に伺いましたよ。
八王子市の猫

八王子市の猫

 泰然としている黒白ボスだが、体に触れることは絶対に許さない。鼻先に指でも出そうものなら鉄拳(爪あり)が飛んできて血潮がほとばしる。その場では挨拶を諦めたが、こういう時のために絆創膏を持ち歩いていることをあとで思い出した。
八王子市の猫

 日に当たるボスと三毛。父娘の関係ではないはずだが、交流はあるようだ。
八王子市の猫

八王子市の猫

 猫たちは頻繁に場所を変える。下の三毛はさっきのとは別猫。
八王子市の猫

 こちらは池のほとりで暮らすもう1匹の三毛で、さっきの三毛とは姉妹。警戒心が非常に強く、知らない人の前に姿を見せることは珍しい。子猫のころはさほどでもなかったが、今は母娘3匹をカメラに収めることはほとんど不可能だと思う。
八王子市の猫

 挨拶回りにゴンは外せない。いるかなと思ってねぐらを覗いてみると、すでに気配を察してこちらへ向かっているところだった。
多摩市の猫

多摩市の猫

 「手ぶらで挨拶はないだろう」と、しょっぱい顔のゴン。ちゃんと持ってきましたよ。
多摩市の猫

多摩市の猫

 この季節になっても被毛がふっくらしないのはアンダーコートのないタイプだからのようで、体を撫でても被毛の薄さを感じる。これじゃ真冬は辛いと思うが、いつの間にか祠の脇に暖かそうな猫ベッドが置かれていたので、例年よりはだいぶ楽になるだろう。ほかの猫(例えばこちら)とくっついて寝ればもっと暖かいのに、こいつは頑として誰とも打ち解けない。
多摩市の猫

 帰宅したのは13時すぎ。いつもの広い駐車場でサバ白が日に当たっていた。
府中市の猫

府中市の猫

 近寄る素振りを見せるとこうなるのはいつものこと。最近はもう諦めた。
府中市の猫

 遠ざかると恐る恐る出てくる。君はヤドカリか。
府中市の猫

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