サチコとマコちゃんを同じ日に風呂に入れるのは人間にとっても負担が大きい上に、風呂から上がって被毛を乾かす際、2匹同時に炬燵に入ることになってサチコのストレスが増す。なので今年は30日と31日に分けて入れようと思っていたが、妻と相談した結果、サチコについては高齢であることを考慮して今回から入浴をやめることにした。湯冷めの心配という点では夏よりもむしろ炬燵に籠れる冬の方が安心だと思うが、湿った毛を気にして1〜2時間も毛繕いを続けるので、体力的にしんどいだろうというのが妻の意見だった。人間の100歳近い老人がどのように入浴しているのか俺には分からないが、介護職だった妻はよく知っているだろうからその知見に従った。風呂上がりのサチコの上機嫌なゴロゴロを聞けなくなるのは淋しいが、時の流れなので仕方がない。
12月29日に掃除しちゃいけないと50年近く前に聞かされて育ったので、今日は朝から何もせずにうだうだして過ごした。Macに向かって自分のブログを見ているうちに頭が痛くなってきたので(比喩的な意味ではなく)、首や肩の緊張をほぐすべく風呂に浸かって現在に至る。今日は25日の福生〜拝島散歩の3回目を載せる(2回目はこちら)。
川沿いの緑地をあとにして再び住宅地へと足を踏み入れたのは11時近く。日はだいぶ高くなっていたが、そもそも南中高度が低い季節なので影は長く、猫はそれに紛れるようにしてこそこそと歩き回っている。
かつて道路の左側には数棟の引揚者住宅が並んでいたが、2018年ごろ取り壊されて今の家が建った。オーナーは変わっていないらしく、古びた門柱だけは昔から同じ位置にあって猫の出入りを見守っていた(一例)。
……なので、敷地に佇立するあのキジトラも、野良などではなくここで暮らしている猫かも知れない。
「いい子だね、おいでー」と呼んでみたがこれといって反応なし。
こちらの三毛を載せるのは初めてかな。今まで何度も見かけていたけど、濡れ縁の下に隠れていて写真は撮れなかった。
気配を察して顔をもたげた。こいつも何だかんだで知り合って7年ほどだが、いつまで経ってもまったく懐かない。
「いたずら者って枕詞、そろそろやめませんか? 7年も前にたった一度あったことじゃないですか」
散歩の最後にキジ白3号を訪ねてみた。時刻は13時近くになっていて、いつもは気配に敏感なキジ白3号も玄関ポーチで目を閉じたまま動かない。
……と思ったらシャッター音で即バレ。次の瞬間には路地で転がっていた。
微妙に視線が逸れているのは、俺の背後に近所の子供がいるから。そういや今は冬休み中だったな。
不審そうにこちらを眺める女の子に「猫の写真を撮っているんだよ」と話すと、ぱっと表情が明るくなり、一瞬どこかへ消えたと思ったら猫じゃらしを持って戻ってきた。
キジ白3号はしょっぱい顔だったが、小学校1〜2年生と思しき女の子は大喜びで、にこにこしながらこれは私の知っている猫だ、夜になると隣の敷地に来て鳴くのだと教えてくれた。この猫は君よりも年上で、君が生まれるより前からここで暮らしているんだぜと思ったりもしたが、微笑ましいので黙って聞いていた。この趣味は幼女から老女に至るまで幅広い年代の人と話せて面白い。最高年齢は92歳だったかな。