奥多摩へ行くことを遠出とは思いたくないが、自宅を6:10に出て現地に8:30に着くのだからまあまあ遠出で間違いない。拝島時代は1時間で行けたので近場に分類していたが、分倍河原へ引っ越してからは、乗り換えが一つ増えたことと自宅から駅まで遠いことが拍車をかけた。
三浦と同様に奥多摩も行くなら平日と決めているので、9月の異動で平日勤務になってからは訪れる機会がなかった。前回奥多摩へ赴いたのはそれを見越した8月23日で、この次は紅葉のころにでもと思っていたが、たまさかの年休では行きたいところが多すぎて追いつかず、優先順位が下がり気味の奥多摩散歩は今日までずれ込むことになった。
夏場なら始発電車に乗って6時すぎに現地入りするところ、今はそんなに張り切っても意味がないので、8時半ごろ着くように時間調整しながらの移動となった。青梅でカーシェアリングの車に乗り換えたが、そのまま向かったのでは到着が早すぎるので、いつもは帰りに立ち寄る渓谷の駐車場に車を止めておにぎりを食べた。この駐車場にはかつて山腹トリオと名付けた猫たちが暮らしていて、中でも最後まで残った鉢割れのキジ白はとりわけ人懐っこく、立ち寄るたびに車から降りて探し回るのが常だ。しかし渓谷の北斜面に位置する駐車場は霜で真っ白になっており、猫なんか呼んだって出てくるような雰囲気ではなかった。
……と思ったら、小さいのがちょこなんとしているね。
この子は去年3月から時々見かけるようになった黒白。近くの店舗の飼い猫らしく、以前は首輪を付けていたが、野山を遊び回るには邪魔なのか、いつの間にかなくなっていた。
最初はおっかなびっくりだけど、一度撫でたらすぐに懐いてくれる可愛い子。帰りはキジ白にも会えたらいいな。
12月30日にもなると氷川の街は観光客もまばらで、人混みにやられることもなくゆっくり散歩できる。ただ今日は朝のうち雲が多かったせいか猫もまばらで、馴染の黒白が暮らす急坂の路地は空振り。吊り橋を右岸へ渡って街道を登っていくと、行く手の民家に白っぽいのが見えてきた。
ここは定点の猫民家。今日はこの子だけかなーとその場では思っていたが、帰宅してからこの写真に2匹写っていることに気づいてのけぞった。
問答無用で逃げられ、がっかりして奥を見るともう1匹いるではないか!
近寄った分だけ奥へ離れて行ってしまう。ここは一旦引いた方がいいかも分からんな。
……そして数分後、その辺を一回りして戻ったところでアップ撮影に成功。
建物の隙間からこちらを注視する猫発見。この辺はたくさん出てくるな。
しかし懐いてくれるのは皆無。裏手に逃げたのであとを追ってみると、屋根下の暗がりに潜んでいた。
必死に舌を鳴らすも完全に無視。まあここらの猫は普段から野生動物に揉まれているからなあ。
そうこうしているうちに雲が切れて日が差してきた。まだ10時前だが、これから猫集落へ行くことを考えると時間に余裕はない。この季節、氷川以上に山深い猫集落は11時すぎには太陽が稜線に隠れてしまうので、猫が日なたぼっこするのも、それを俺がカメラに収めるのも、あと1時間半ほどしか時間が残されていない。
気が急いてきたためアプローチが雑になり、若い黒白はとっとと逃亡。そんな俺の姿を背後で眺めていたキジトラも建物の裏へ身を隠した。
このあと駅前の駐車場へ戻り、4ヶ月ぶりとなる猫集落へと車を走らせた。続きは明日。